福島第一原発処理水の海洋放水がまもなく開始されるようです。
核物質の冷却に必要な水は多大で、事故後10年間で貯蔵出来る限度量にまもなく到達することで、今回の決定に至ったのです。処理水に含まれる核物質はろ過や吸着で取り除く処理をしているのですが、唯一水素の同位体元素であるトリチウムだけはほぼ水の形態で存在しているので、現在の技術では除去できません。フランスや米国、韓国、中国なども希釈して海洋放出しています。
海洋放水の実施にあたり、岸田首相や西村経産大臣などが、福島を訪問して、地元に説明をしていますが、漁業関係者の代表などは、科学的な安全性については理解を深めたが、風評被害など感情的な要因があるので反対を継続するとしています。
政府は国際原子力機関IAEAによる科学的な安全性の確認を得たことを根拠に海洋放水を強行するようです。政府は風評被害に対してもそれが起きないように努力するとはしていても、納得行く回答になっていないことで地元の理解は得られないと思います。
これに対して、ネットでは、岸田総理、麻生副総理以下政府の安全だと言っている者が、処理水を飲んで見せればいいとかいろいろな意見が飛び交っています。
私は、海洋放水を開始したら、当面、福島近郊で獲れた海産物は、全量政府が買い上げるとしたらいいのではないかと思います。そして、政府や全国自治体の政治家、官僚、役人、そして、今回の処置に賛成している識者等が中心となって、それを食し、福島の海産物は安全であることを証明したらいいのではないかと考えています。その事実が広く国民や海外にも浸透したら、風評被害も収まるのではないでしょうか。コロナ禍において、ワクチンに多大な税金を投入したことに比べ、福島の海産物を全量引き取るくらいは出来るのではないでしょうか。この場合、食した人達から代金を徴取すれば、それほど多くの税金が消費されることはないと思います。
岸田首相は国民の声に丁寧に耳を傾けたいと常に仰っていますが、科学的に安全であると言うような合理性だけでは、国民の納得が行かないのであれば、その声に対し、きちんと具体的な対応をすべきだと思いますし、そのことで、真に国民の信頼を得られるチャンスだと思います。