ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川氏の性加害問題についての事務所幹部の記者会見を見ました。はっきりと性加害があったと認めたこと、被害者への補償を実行する点については、進展があったと思いますが、何かしっくり来ない点もありました。

 ジュリー前社長、東山新社長、井ノ原グループ会社社長、顧問弁護士の4人が登壇して、質問に答えた形でした。ジャニーズ所属の三人が、本件、噂は知っていても、性加害が実際にあったことを知らなかったと言われたのは、首を傾げてしまいました。大手芸能プロダクションと言っても、一般の大企業に比べれば、かなり小さい所帯にも関わらず、何十年も内部にいて、知らなかったとは信じられませんでした。推測するに、「事務所の内外を通じて疑惑が常に伝えられていたので、間違い無く何かあるとは思っていましたが、ジャニーさん、メリーさんが怖くて、真実を追求出来る状況ではなかった。」くらいが真実に近いのではと思いました。弱い人間の行動として、怖いものには触れるな、の心理で、単なる噂ではなく、何かあるとは感じていても、目を逸らし続けて来たんではないでしょうか。それなのに、今回、真実を目の当たりにして、自分の根本が崩れるほどショックだったと言うのは、綺麗事で、本当は真実から逃げていたのではないでしょうか。更に、絶対に知らなかったでは通らない、前副社長をこの場から外したのも、彼が追求されたら逃げられなくなるからと感じました。

 私は人間の心理として、恐ろしい真実から敢えて目を逸らすのは、よくあることだと思います。ジュリーさん以外、性被害のあった当時は経営責任も無い人ですので、そのようなことでも責められないと思います。しかし、今、この会社と言う組織の経営を担う立場になった以上、真実を語り、今後は、経営者の立場としては、絶対にこの事実からは逃げないと宣言した方が、信頼出来る態度であったと思いますし、被害者も理解してくれるように思います。

 東山新社長が、命をかけて務めると発言されたのですが、その覚悟があるのであれば、体裁を繕うのではなく、真実を話して、その事への強い反省も込めて、事務所の改革をやり遂げると言って欲しかったです。