ジャニーズ事務所の記者会見で、ジュリー前社長は、被害者の人達に出来るだけの償い、補償をする為に、代表取締役に留まると発言されていました。本来、今回の事件の片棒を担いでいた者が補償を決めると言うことには違和感がありますが、ジュリーさんが被害者の為に出来るだけの事をしたいと心の底から考えておられると、もし信ずるならば、以下のような提案をしたいと思います。
補償の内容を考えるにあたり、罪のポイントをおさらいしますと、被害者が少年のときに受けた性被害により、精神的に大きな傷を受けたこと、これは、精神疾患になったり、そのことで、当たり前の青春時代を過せなかった罪です。次に、被害者がスターになるチャンスを奪われた罪です。確かに、全員が全員、スターになれたかと言うとそうではないでしょう、しかし、もしかしたら成れたかもしれないと言う可能性、チャンスを、ジャニー氏の行為に耐えられなくなり、拒否するようになったり、遠ざかったりすることで、干されて、未然に潰されたことは確かだと思います。もちろん、そこまで成功せずとも、ある程度芸能界で生きて行くことが出来た可能性を摘まれたと言う罪も存在するでしょう。さらに、ファンに大きな失望を与えた罪もあります。もっと広く考えますと、社会全般に芸能界のイメージを壊した罪もあるでしょう。
これらの罪を前提に補償の事を考えますと、まずは直接の性被害者への慰謝料が第一でしょう。次に、被害者が芸能界で働いている、又は働きたいと思っているとしたら、彼らに対する就業支援が考えられます。次にファンや一般社会に対する償いも必要だと思います。今回、ジャニーズ事務所が資金を提供して、性加害問題に関する対策支援団体を設立し、ジヤニーズ事務所に留まらず、男女を問わず芸能界全体の性加害防止、性被害者の支援をすることはどうでしょうか。そしてその活動が順調に進めば、さらに門戸を広げて、社会全体の性加害問題に対する防止・支援活動をしてはどうでしょうか。
これらの活動には、ジャニー氏、メリー氏が生み出し、ジュリー氏に受け継がれた巨額の財産から全ての資金を提供することで、ジュリー氏が言われる本当の意味の贖罪になると思います。もちろん、これは単なる補償であって、これで被害者が全て元通りの状態になる訳はありませんので、ジャニー氏、メリー氏の罪はいつまでも晴らすことが出来ないほど重いものなのです。