故ジャニー喜多川氏による性加害問題に対して、ジャニーズ事務所所属のタレントをCMに起用していたスポンサー企業が次々に起用を停止する旨の発表をしています。日本の企業の中では、有名な会社が名を連ねています。また、テレビ局も同じような動きが出始めています。
彼らは、個々のタレントに罪が無くとも、少年への性加害と言う許されない事件を放置して来たような企業とは、自分達のようなコンプライアンスを重要視している企業とは相容れないと主張しているのです。
確かに、一見、正論のように聞こえますが、長い年月の間、それらの企業もジャニー氏の性加害の噂を知らないはずはありません。もし、今主張しているような企業スタンスであれば、噂を聞いた時点で、ジャニーズ事務所に真偽を確認し、そのような事実は無いという証明をとっているべきだと思います。多くのスポンサー企業がもしそのような行動に出ていれば、ジャニー氏の性加害に対し、大きなプレッシャーになったはずですし、ここまでの長期間に渡る被害を生むことは無かったように思います。つまり、彼らもこの犯罪を放置したと言う意味で同じ穴のムジナだったのです。
もし、本心からコンプライアンスを尊重した企業を目指すのであるなら、まずは、これまでの自分達の行動について、反省し、自分達の行なった行動に対し詳細を調査し、何故そうなったか、今後はどうするべきかを発表した上で、ジャニーズ事務所と今後はどう関わるかを説明すべきと思います。
一番の問題の根源はジャニー氏であるのは間違いありませんが、そうだからと言って、私はそれを見逃した人々、企業も重大な責任があることを忘れてはいけないと思います。彼らの行動は、いじめに見られる光景と似通っていて、何か突っ込み所のある者を誰かがいじめ出すと、回りの者は例えいじめられている理由に共通する弱みがあったとしても自分もいじめられたくないので、多数派であるいじめる方につくと言う形です。
このような態度をとっている企業が、自分達のこれまでの行動について触れないのは、自分達にコンプライアンス上の弱みがあり、そこをほじくり返されたくないから、ジャニーズ事務所を叩く側に回っているんだと、私には思えてなりません。
このような人間として陥り易いが、未熟な行動原理が、一見立派な顔をした大企業そして、その幹部達エリートが同レベルであるとは、本当に情けない社会であると思います。表で綺麗ごとを並べていても、実は醜い心を持った怪物がまだまだ日本社会を牛耳っているのかもしれません。