最近でも、高齢者が運転する車が、高速道路を逆行したり、通学の子供達の列に突っ込んだり、という事件が報道されています。このようなことは、全く罪の無い人達を悲惨な事故に巻き込むもので、そんな事故が繰り返されるのは、政府、自治体の対応が遅く、効果的で無いことを示していると思います。運転する本人は、自身の老化による安全運転能力の低下を認知出来ていませんので、ルールを課して、高齢運転手を管理しなければならないのです。そして、そのルールをスムーズに普及させる為に、税金をつぎ込むことも必要なのです。
今、減税や現金給付のことで、国会は揺れています。国民を救済することは必要だと思いますが、浅く広くばら撒くこのようなやり方は、かけたお金が膨大にしては、効果が小さいと言う政策で、税金の使い道としては、その費用対効果に大きな問題があると思います。効果的な方策を打ち立てて、その分使わずに済んだお金を、前述したような高齢ドライバーの問題に費やせば、貴重な命が失われることをかなり防ぐことが出来ると思います。手っ取り早いのは、ブレーキ、アクセル踏み間違い、認知度低下やハンドル誤操作、急な身体的異変による衝突などは、現在、市販されている自動化運転技術の一部を活用すればかなりの部分、防げるのです。例えば、70歳以上の高齢者には、そのような安全運転装置のついた車しか運転出来ないようにルール化し、そのような車への買い替えに対して補助金を出すとか、保有する車に安全装置を付加するのにも補助金を出すとかすれば、無理なく普及出来ると思います。そういう知恵も出せずに、細かいことを気にして、躊躇している政治家達の実行力の無さには失望してしまいます。
人間、寿命があり、精神的にも、肉体的にも衰えていくのは必然なのです。確かに、老化の程度は個人差が大きいのは理解しますが、そうだからと言って、高齢者の問題を放置してはいけないと思います。
政治家や団体も、高齢者が未だに組織を牛耳っている例は多数あります。若い頃の実績や能力で、高い地位を獲得したのだと思いますが、老いによる能力低下は避けられませんし、認知機能の低下も少しづつ進行していくのも必然なのに、本人から言わすと俺は大丈夫だとガンとしてその地位に居座る例が後を絶ちません。そして権力を保有している限り、周りが老化を感じたとしても、本人に指摘出来ないし、もし指摘する者がいたとしても、本人はその指摘に耳をかさずに、そのような勇気のある人を排除してしまうことが多いのです。
このような老齢猫に鈴をつけられないのであれば、年齢制限のルールを作るしかないと思うのです。例えば、政治家については、進退については本人が決めるべきだと言う慣習がありますが、そんな性善説が通用するような政治家など稀有な存在です。だから、いくら個人差があるとしても個々で決めると言うのではなく、後身の人材を信じて、一定の年齢で勇退するようにルール化したらいいのだと思います。
私が、これまで見聞きして来た高齢になっても高い地位にいる権力者は、政治、団体、企業など、組織に悪い影響を与える老害と呼ぶべき人の方が多いと感じています。逆に、高齢になっても、優れた感覚を維持されている人は、自ら率先して優れた後継者を育て、早い段階で権力を委譲するようにしていると思います。
どんな分野でも、権力が付きまとうのであれば、進退についての年齢制限を決めることが、この社会をより良くする為に必要なのです。