岡山県警の警察署長も務めた58歳の警視正の男が、マッチングアプリで知り合った20代の女性に性的暴行を加えたなどとして、逮捕されました。彼は現在、警察学校で指導部長を務めています。まさしく、これから警察官として、育成されるべき人達に対し指導的立場にいる人間が起こした犯罪としては、あまりにもお粗末極まりない行動を為したと言えるのではないでしょうか。特に内容を見ますと、女性に対し、警察官の身分を明かし、売春は犯罪であると脅迫して、暴行に及んだそうで、その際、警察官の制服を着用していたのですから、警察学校の生徒達に、何を教えていたのか、あまりにもそのギャップに驚いてしまいます。また、後二年で定年となる訳で、叩き上げから警視正にまで登り詰め、積み上げて来た実績、地位、退職金をも棒に振るかもしれないようなことをする事はなかなか理解出来るものではありません。ご家族の事を考えていればと、こんな行動をどうして留まれなかったのか、益々理解出来ません。
最近、学校の教師が、わいせつ行為をしたり、盗撮したりとして、逮捕される事件も続出しています。
確かに、警察官も教師も人間ですから、神様のように全て清く正しく生きることは出来ないのは分かりますが、それでも、自分の立場を理解していれば、自ずと行動にブレーキが効くのが普通だと思うのです。しかし、前述したケースは、十二分に人生経験を積んだ大人で且つ特別な職務についている訳ですので、いったい何が起こっているのでしょうか。人を諭し、指導する立場にある人間は、その教えに沿うように自分自身を律することが要求されます。それだけ、影響力のある力を持っているのですから、当然です。逆に、そのように振る舞えないような人間が本来就くべき仕事ではないのです。
我々の大部分は、WEタイプの人間で、弱い存在です。他人に見つからなかったら、ついつい悪に手を染めてしまいかねない危うさを持っています。そのことを充分に認識し、行動を進めて行くことが重要なのです。悪に負けない為には、天は必ず見ていると思うこと、悪事はいずれバレるものであり、もし露呈したら、自分がこつこつ積み上げて来た人生が根底から崩れ落ちること、そうなれば、親兄弟、伴侶、子供など周りの人達をも、奈落に落としてしまうと言うことを想像しないといけません。いっときの欲望を達成することと、罪を暴かれて被る地獄のことを天秤にかけて見ると、答えは明らかなのです。この真っ当な判断を鈍らすのは、うまくやればバレないとする悪魔の囁きしかないのです。是非、事を起こしてしまう前に、冷静に想像力を働かせてください。自分の人生を大切にしてください。
このことが出来ないのは、正しく成熟した大人ではなく、後先考えないで、そのときの欲望を達成することに走る幼子でしかないのです。何が、彼ら犯罪者の成長を止めてしまったのでしょうか。その一つの要因は、家庭、学校、社会の教育環境だと思えるのです。勉強が出来ることだけで、褒められるような社会はもうそろそろ止めにした方がいいと思います。もっと、大切なことを教えるべきだと思います。自分も回りも一緒に幸福になるにはどうしたら良いかと言うことを、皆で考えるべきだと思います。