国連は毎年、各国の幸福度を数値化して発表しています。これは、6つの指標(一人あたりGDP、社会的支援、健康寿命、人生における自由度、寛容さ、社会の非腐敗度)での総合評価で決まっているそうです。この項目で、本当に幸福度が測れるのかは、賛否の別れるところですので、ここではひとつの参考値として、眺めたいと思います。
ベスト3は、フィンランド、デンマーク、ノルウェーの北欧諸国です。確かに、福祉制度、社会保障制度が整っていて、安心して暮らせることがポイントだと思います。そして、上位には、ヨーロッパ諸国、北米諸国が入っていて、民主主義国としての自由度、経済的にある程度豊かであることなど、共通しています。
一方、ロシアや中国といった大国でも、独裁国家ではやはりランクが低いのです。民主主義国であっても、日本や韓国は、北米、西欧諸国と独裁国家の間に位置していまして、それほど幸福度が高い評価になっていません。
日本が低い理由は、住環境の貧困さ、政治への市民参加の少なさ、人生の満足度を感じる人が少ない、環境問題対策の不徹底さ、ワーク・ライフバランスの不充分さなどが示されています。
確かに、そのような点が、改善すべき課題としては間違っていないと思いますが、それだけでみんな不幸かと言うとそうでもないと思います。もちろん、それらの点を改善することは必要とは思いますが、私が注目しましたのは、個々人が人生に満足度を感じない人が多いという点です。これは、社会や環境が起因する点も多々あると思いますが、個々人の幸せへの感度が低いことが問題であると私は感じています。
ヨーロッパ諸国の人と交流したり、テレビなどで見聞きして感じますのは、彼らは、各自、自分なりの喜びを多様に持っていると言うことです。価値観が多様だとも言えるかもしれません。ですから、人生の生き方を回りの人と比べたりせずに、自分は自分の喜びを追求すればいいと言う、達観した考え方を持っているような気がします。それに比べ、日本人は、自分という個々の存在を、他人と比較することで評価することが多いような気がします。多くの人が受験レースに一喜一憂したり、誰が裕福だとか、大企業に入ったとか、共通の物差しで、評価しがちだと思います。このブログで常にお伝えしたいとしていることは、自分固有の価値観、つまり自分だけの幸福の物差しを持つべきだと考えています。
人がそれぞれの幸福の物差しを持って人生を歩んでいく上で、いままで何度も述べて来ましたような教育、政治、経済の改革を実施すれば、多くの人が自分の幸福を求める旅をさらにうまく進めていけるのです。