大リーグエンゼルスの大谷選手が、今年のMVP発表のとき横にいたコーイケルホンディエと言う犬種の犬が話題になっています。日本には、登録頭数が155頭とかなり希少な犬種であるようです。

 この映像が流れた後、ネットでは、この犬についての投稿が増え、また、この犬を飼いたいという問い合わせも多く出ているそうです。しかし、この犬を繁殖しているブリーダーも限られ、手に入れるには何年もかかるという話も出ています。さらに、この犬は、猟犬の一種なので、多く出回っている愛玩用の犬種に比べ、飼い慣らすのも難しいそうです。

 いずれにせよ、一時の衝動で大谷選手と同じ犬を欲しいと安易に購入するのではなく、この犬を一生涯に渡り、世話をする覚悟がないと、飼う資格は無いと専門家は警鐘を鳴らしています。一時、颯爽とした姿で人気が出たシベリアンハスキーも飼うのが難しく、多くのシベリアンハスキーが捨てられて問題化したときと同じようなことが起きるのではないかと危惧しているそうです。また、コーイケルホンディエは個体数が少なく、繁殖上、遺伝的に問題が出る可能性も高く、相当熟練したブリーダーでないと繁殖が難しいのですが、直ぐにでも手に入れたいと言う顧客に対して、金儲けしか考えない闇ブリーダーが繁殖させた犬が出回り、病的に弱い犬が増えることも懸念されるそうです。

 私には、有名人が飼っていると言う動機で、生き物を欲しがる行動が理解出来ません。私は、幼少時から青年期にかけて、実家が犬を飼っていた経験、そして、自分が家庭を持ち、猫を二度にわたり飼った経験でいいますと、生き物を世話することは本当に大変なことです。その大変さに耐えられるのは、その生き物への深い愛情の賜物でしかありません。単に、玩具のように気に入ったから欲しくなったと言うようなことでは、10年以上の長い年月、毎日、世話をすることは出来ないと思います。

 もちろん、外見や仕草は、たまらない程可愛いものですが、実際は、食事の世話、下の世話、その他生活の世話、運動の世話が、日々続くのです。病気になったときはまたいろいろと大変なことが待っています。それでも、きちんと世話出来るのは、犬、猫が自分と同居する大切な家族の一員であるという認識があるからです。自分の欲望を満たす為に飼うような人では、必ず、生き物を飼うことの現実の難しさに耐えられなくなって、飼育放棄する可能性が高いと思います。放棄するということは、その生き物の命に関わる問題なのです。

 自分の子供を育てるのは大変ですが、犬、猫を育てるのもそれと同じような大変さがあります。しかし、愛情があるので、その命を守ろうと頑張るものなのです。その苦労があるから、子供も犬、猫もかけがいのない存在となるのです。

 もし、そのような苦労までしたくないと思う人は、バーチャルゲームや玩具のペットで我慢するのがいいと思います。決して、いっときの衝動で、生き物を飼ってはいけません。是非、一旦、頭を冷やして、冷静に考えてください。

 幸福は、自分の欲望のおもむくままに進むことでは得られません。周りのひと、生き物のことをお互い配慮し、助け合う中でしか得られないものなのです。

投稿者

弱虫語り部

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