大リーガー大谷選手のFA移籍金が10年契約700億円、800億円を超えるのではと報道が過熱しています。本人は金額の多寡よりも、野球をやる環境や、ポストシーズンに出られるチーム力を重視しているようですが、このような大谷選手の意向に対して、選手会は契約金があまり安いと、自分達全員の価値をおとしめるものであると警戒しているようです。確かに、プロ選手の価値はお金で測られるものであるのは分かりますが、一部のプロスポーツで個人に動くお金が異常に高過ぎるように思えてなりません。アメリカンドリームと言った言葉にありますように、夢があっていいと言う意見もあるでしょう。しかし、それは、世界全体の人がある程度の豊かさを享受出来ているのであれば、それもいいのかと思いますが、日々、飢えに苦しんでいる人達が世界人口の10%弱もいるとされる現実がある以上、諸手を上げて賛成とは言えません。一方、一人で何兆円と言うような資産を保有している人達がいるのも現実です。この富の偏りを是正することが出来れば、飢餓人口をゼロにすることは可能なのです。
ここで、今日のテーマに関わる話です。幸福な人生を送るのに、どれだけのお金が必要なのでしょうか。テレビに出ていたお金持ちの芸能人が、若い時に、高級ブランドを身に着け、高級車や高級腕時計を多数コレクションし、海外旅行も世界一周したが、現在はそのような物欲が無くなった、今は、自分も含めみんなが健康であることを目的とした製品を開発することに打ち込んでいると言われていました。
お金で買えるのは様々な商品やサービスですが、それをいくらでも買えることは一見羨ましいことのように思えますが、残念ながらそれで得られる満足感は、人生の中ではあくまで限定的なものであることを物語っているエピソードです。大谷選手が羨ましいのは、人生をかけられる仕事を持っていて、それにとことん打ち込むことが出来ていることなのです。もちろん、その結果、大きなお金も獲得出来ているのですが、本人はお金が満たしてくれることはあくまで、彼の人生にとって小さなことで限定的なことであると理解しているのが本当に凄いことだと思います。
普通にある程度豊かに生活していくには、ある程度のお金が必要です。幸福な人生をおくるためには、それくらいのお金は必要であるとは思いますが、その生活に困らない程度のお金を持てていれば、後は、何にも増して打ち込めることを持っているか、打ち込んだことによって得られる充実感を持てるかが、幸福の多寡を決めて行くと思います。
そう考えれば、世界の富を今よりは均等に配分出来れば、世界中の人達が幸福になる為の下地は確保出来ると思います。後は、それぞれ個々で、幸せの物差しを見つけ、それに従って、それぞれの人生を歩んでいけば、多くの人達が幸せになれるのだと思います。
公的な法や制度は、それぞれの人が安心して幸せ探しに邁進出来るような社会環境を提供できるように最低限に整備されていくことが重要なのです。これが、私の唱えている新ハルモニア主義の理念と方策なのです。