世界気象機関(WMO)は2023年は史上最も暑い1年になるとの見通しを発表しました。過去同程度に暑かったのは、最終間氷期の12万5千年前頃までさかのぼります。宇宙規模の長いスパンで考えますと、寒冷な氷期と温暖な間氷期が繰り返されていますので、それらによる気温変化は、現在の温暖化の非では無いと言えます。しかし、現人類の営みを中心に考えますと、宇宙規模では大したことのない気温変化も、いろいろな問題を起こしているのです。それが近年の異常気象となり、様々な災害につながっているのでしょう。
今年の国連気候変動会議(COP28)では、このような災害による損失と被害を救済する為の基金を設立し、世界銀行が暫定的に運用することが決まりました。支援を受けるのは、気候変動の影響が大きい途上国、特に小さな島国で、先進国が自主的に資金を拠出するようです。
一方、パリ協定で、気温上昇2度以内の目標に対して、温室効果ガス削減の各国の目標を義務づけられたのですが、この進展をチェックしていくのも重要な取り組みとなっています。
人類は、足並みが揃ったとまでは言えませんが、地球温暖化、それに伴う気候変動による被害を抑える方向に進んでいます。
日本においても、削減への取り組みが議論されていますが、特に、原子力発電に多くの課題を抱え、クリーンエネルギーへの転換もままならない現在、発電での化石燃料からの脱却も簡単に進むとは思えません。
また、気候変動に伴う、水害などの災害の拡がり、生態系の変化に伴う農業、漁業の問題など、我々の生活に直結するところにも暗い影が伸びています。
このような状況に加え、足元の物価高や高齢化などによる国民生活の問題、近隣国との対立による安全保障問題、前述した温室ガス削減に大きく関わるエネルギー問題など、重要な課題が山積みになっているにも関わらず、日本の舵をとるべき政府が自らのある意味倫理的な問題で、右往左往しているとはどういうことでしょうか。
これは、政治家達が自分達のことしか考えないで、国民を置き去りにして来たつけが回って来たのです。このような危機的状況に、与党とか野党とか派閥とか、そんなことにこだわっている暇は無い筈です。今こそ、それらの壁を壊して、この難局を乗り越えるという一致した目標で団結し、声を上げ、団結の要となるような政治家が出て来ないのでしょうか。
自分の立場を主張するだけで、この難局を他人事のように評論している多数の政治家、全く危機感など微塵も感じられない居眠り議員など日本に必要ないことを自覚して欲しいと思います。