能登半島地震の被害が徐々に明らかになって来ました。潰れた家屋、横倒しになったビル、一面焼け野原になった街、地震の威力の凄まじさが目の前にあります。家族が潰れた家の中に残っていても何も出来ない人の無念さ、自分がその立場に立たされたらどうなるだろうかと、思考を巡らせても、やはり無力感に押し潰されるだけのように思います。
一刻も早く瓦礫を取り除いて捜索したいのに、重機も無く、人海戦術を取ろうにも人手も無い状況なのです。こういうときに、海外から支援の申し出が多数出ているのは喜ばしいことです。かなり敵対的な関係になっている中国からも支援の申し出があったようです。困ったときは、そんなわだかまりは横において、助け合うのは大人の関係だと思います。被災者の立場としては、どんな国の救援も有難い、猫の手でもと言う状況だと思うのですが、政府は外交的な思惑を優先し、各国の救援、特に救助部隊の派遣受け入れには慎重のようです。人の命を最優先に救助活動をすると言われている岸田首相がやはり、いろいろな国の関係、顔色を見て、救援をどれだけ、どこまで受けるかを考えているようです。
私なら、初期の重点は瓦礫や土に埋まっているかもしれない行方不明者の捜索を優先したいと、その為にはどんな国であろうと救助隊の派遣は受け入れて、少しでも多くの力で、捜索にかかるのが、少しでも多くの命を救う為には最善の方法だと思います。もちろん、いろいろな国との複雑な関係にある外交は大切ですが、それは初期の救助に全力を上げた後に取り繕ったらどうでしょうか。問題があって取り繕うのは、今の日本の政治家の一番得意なことではないでしょうか。
この辺になりふり構わず素早く行動出来れば、岸田首相への国民の見方も変わるかもしれません。こういう危機的状況に、どう対応するかで、その人が何を大切にしているか分かると思います。今のようなやり方は、外交とかで後々問題にならないようにすることの方が、国民の命より大切なのでしょう。小の虫を殺して、大の虫を助けると、弁解しそうですが。震災の被害者に対して、そのような理屈は成り立たないと思います。それは問題のすり替えだと思います。
政治というもの、人の命に関わるような取返しのつかない問題を如何に優先しつつ、その他の問題をコントロール出来る知恵、アイディア、実行力が試されているのですが、残念ながら、昨今の日本政府は真の意味の危機管理能力には長けていないことが局面、局面で露呈しています。