2024年度の国家予算案は、110兆円を超える規模となっています。歳出額はこの30年間で増加の一途を辿っています。その為、歳入は、税収の増加だけでは足りなくて(消費税をはじめこれだけ国民から絞りとることを進めて来たにも関わらず)、国債の発行に頼ることになっています。年金や医療の社会保障関係費が増加しているからと言って、その赤字の補填に国債を限度無く発行していくのであれば、本当に予算と呼べるものでしょうか。低金利が続いていることで、国債の利払いが抑えられていることも、借金慣れしている原因だと思いますが、普通の企業や家庭では、このような杜撰な管理は許されない筈だと思います。確かに、国債はほとんど国内資本が支えているので、日本全体として見れば、自己完結しているもので、今すぐ財政破綻するとも思えませんが、そのことが、予算を策定する政府、官僚の安易な支出にもつながっていく異常な状態であると見た方が良いと思います。

 政治家はよく「抜本的な改革」という言葉を使いますが、日本の歳出については、ゼロサム方式でゼロから積み上げ直す、単なるスローガンではなく、真の意味で「抜本的な改革」しかないのではないでしょうか。前例主義が基本であれば、前年度の実績プラス新年度の追加分の足し合わせとなって、支出が増えるのは当たり前です。

 選挙対策と思われる八方美人的なこのような知恵の無い、バラマキ予算を止める決断が必要です。原点に却ってみれば、生活が困窮している国民への支援と生活にゆとりが無い国民に対して減税していけば、景気などは簡単に上向くと思います。そして、老後を安心して暮らせるように年金の充実、医療、介護の費用の補完、義務教育費用の補完、道路、交通などのインフラ設備、水道、電気、ガスなどのユーティリティなどの関連費用が国民生活に欠かせない支出です。安全保障に係る、警察、消防、そして外交に関する費用は外せません。問題は、自衛隊や国防に係る支出です。これにどれだけかけるかは、外交政策とリンクしています。直接の軍事機能だけで防衛しようとすると無限の支出となるでしょうし、それだけかけたからと言って、完璧でもありません。

 このような核となる支出を決定して、後は、税収の余裕がある分を、優先順位立てして、何に支出するかを決めて行くのだと思います。ここで選挙対策を気にするあまり、いろいろな団体の要望に押されてはいけません。

 このような予算策定方針であれば、歳出額を半分に出来ると思います。そして、このようにシンプルに国のサービスを考えれば、議員の数も役人の数も大幅に減らすことができます。歳出の中に大きく占めるそれらの人件費や関連費用を減らすことも避けてはいけません。この部分があるから、自分の事を一番に考える議員や官僚には歳出を減らすことなんて出来ない問題なのです。

 私企業が倒産の危機に陥ったときに、外部から強烈なコストカッターを招聘し、財政立て直しをすることがよくありますが、日本国にも、そのような類まれな行動力と経験を持った人材が必要です。一番重要なポイントは、既得権益者やしがらみからの圧力に屈しないで、国民の為という信念を持ってことにあたることが出来る人材だと思います。

投稿者

弱虫語り部

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