2024年から、診療報酬の改定が行われます。初診料、再診料や入院の費用が引き上げられます。増額分を看護師、薬剤師などの医療従事者の賃上げの原資とすると言うことです。看護師などの報酬にきちんと回るのであれば、納得出来ますが、賃上げときちんとリンクしていないことが気にかかります。

 また、介護報酬も改訂されます。全体の改定率はプラス1.59%となっていますが、訪問介護の基本報酬を減額するそうです。理由は、訪問介護事業の収益性は比較的よかったからだそうです。介護報酬が増額されると、介護保険料を上げないといけないので、少しでも上げ率を抑えるために、訪問介護を犠牲にしたと言うことです。訪問介護は比較的軽い症状から、利用されるもので、重症者の増加を抑える為にも役に立っていますし、希望者も多いことから、それに関わる職員を増やしたいところですが、人手不足は深刻で、厳しい労働環境のわりにその待遇の低さから成り手が少ないのです。併せて、訪問介護事業者の経営も圧迫され、倒産や撤退が増加するのが懸念されます。

 昨今の増税の背景として、福祉の充実を上げている訳ですが、実際はどれくらいその目的に税金が回って行っているのでしょうか。高齢化社会になって、介護に関わる人材は益々多く必要でしょうし、その質も上げなければいけないのは当たり前だと思います。

 しかし、福祉は政治家の税収を増やす為の単なる言い訳に使われているだけではないでしょうか。介護に必要な質の高い人材を増やしていくには、介護ヘルパーなどの待遇はもっと上げて行く必要があるのですが、政治家や官僚は本気でそれを考えているとは思えません。

 裏金問題で明らかになっていったのは、政治の金の不透明さです。政治家は自分達に入るお金に対しては、大変いい加減で、きちんと説明できないような使途で大金を使ったり、蓄えたりしているのです。さすがに、国民からの信頼もほとんど消滅したと言ってもいいと思いますが、それを回復する為の有効な手段も全く打ち出せないでいます。この際なので、彼らの自由になる金を国に返納し、それらを介護費用に回したらどうでしょうか。それぐらいの事をすれば、少しは信頼回復になりますが、残念ながら、痛みは国民に押し付けるだけで、政治家自身が率先して痛みを受けることをしないのです。

 人の上に立つものは、己れを犠牲にしても国民の生活を守るくらいの根性を持たなければ出来ない仕事だと思います。今回のことで、国民は、今の議員達の腐った性根をはっきりと認識したと思います。是非、この国民の声を力に変えられるくらいに盛り上げて行きましょう。今こそ、多くの国民が声を上げないといけない、政治を変えるチャンスなのです。そして、次の選挙ではその声を票に託しましょう。