最近、カスハラと言う言葉をよく耳にします。カスタマーハラスメントの略だそうで、客が店員などに、言いがかりをつけ、暴言を吐いたり、過度な謝罪をさせたりと言うことだそうです。ある調査によりますと、顧客対応をしている人の65%が過去一年内にカスハラを受けたと答えているそうです。
よくあるのは、コンビニ、スーパーやファーストフード店のレジなどで、ちょっとした事で、それがお客様に対する対応かと怒り、しつこくクレームをつけるようです。かつて、お客様は神様ですと言うようなキャッチコピーが蔓延し、それを真に受けた客が店員を奴隷のように扱ってもいいと勘違いしているとしか思えません。
この前にも取り上げましたナッツリターン事件でも、自分の部下に人への尊厳など全く考えないような暴挙に出た財閥令状の話に触れましたが、カスハラも、その立場には違いはありますが、やっている言動、行動はほとんど同レベルであるように思えます。
それらは、自分より弱い立場の人間に対しては、何を言っても良い、何をしても良いと考えているような人間があちこちに存在していることを示しています。往々にして、それらの人間は自分より強い力にはすこぶる弱いという特徴もあるようです。ナッツ姫にしても、国家権力である検察やマスコミに対しては、借りて来た猫状態でした。
このような情報を見聞きしますと、自分の地位を利用して下位に位置するものを人とも思えない扱いをするこのようなパワハラ気質の人間は、割と多く存在するのだと思い知らされました。
以前は、このような非道な人間は私の分類上はDEタイプであると考えていましたが、それより多い比率でありそうですから、WEタイプにもこのようなパワハラ気質の人は存在するのではと思い直すようになりました。
大部分の人が分類されるWEタイプの特徴は、悪いことを好んで実行は出来ないが、自分を利することが出来て且つ人にバレなければ悪事に手を染めることが出来、反面、善行をすることで誇らしくも思える人です。どちらが勝るかは、周りの環境に左右されますので、教育や人間関係によって決まると思います。
このようなWEタイプの人間は、ナッツ姫のように幼いときから、周りにかしずかれて育ったので、パワハラ行動が許されるものと勘違いして成長してしまうこともありそうです。ちなみに、同じように育てられた弟、妹もパワハラ事件を起こしています。母もかなりのパワハラ体質だったそうですから、育ちだけでは無く、遺伝的な要素も考えないといけないとは思います。
しかし、幼いときから、人間の価値は、お金や地位ではないことを叩き込めば、もう少し他人に寛大になることも出来たと思いますので、やはり、育て方は重要です。また、カスハラをするような人も、父親が尊大な態度で家族にあたっていたような環境で育ったケースもあると思います。
未だに教育現場では受験主体で考えている人達が多数存在します。その弊害として、お座なりの道徳教育で偽善ばかり押し付けて、人権や他人の尊厳について子供達が理解出来ていないことに気付いていない、否、その重要性も分からない教育者や父兄が多いのだと思います。やはりひとを育てるには、受験勉強よりもっと大切なことを教えなければなりませんが、今の学校や家庭でどれだけのことが出来ているのでしょうか。そこを補うことも教育行政には必要なのです。