裏金問題や旧統一教会問題に関し、国会での野党の追及に、岸田首相は「当事者が説明責任を果たすように促したい」と言うような発言をかなりの回数で行っています。これまでも歴代の首相達は、問題が出て、それを追求されると、当人が説明責任を果たすことが重要だと発言することが多いと思いますが、そうだからと言って、国民が納得行くように当事者から説明を受けたことは皆無であったと思います。
議員は出所進退は自分自身で決めるべき、説明責任を自ら果たすべきと言うような話を幾度も聞いていますが、そのような自発的な行動をした議員を見たことはありません。つまり、今の議員達に自浄作用を期待するのは土台無理な話なのです。
議員というものは高潔であるべきと言う理想論から、このような話がまかり通っているのだと思いますが、残念ながら、そのような高潔な議員など存在しないのが現実なのだと思います。ですからこそ、首相というものは強いリーダーシップ、統率力、マネージメント能力を発揮しなければならないのだと思います。今回のような裏金についての内容であれば、首相として、疑惑の持たれている当事者に、記者会見のようなきちんとした場を設け、真偽を明らかにし、その経緯をきちんと説明させるように、指示しなればならないと思います。それくらいしないと、問題の当事者は発言を控え、じっと時が経ち、うやむやになることを待っていると思います。これまでのほとんどのケースがそのようになったと言っても過言ではないでしょう。
結局、このようになるのは、首相自身も同じ穴のムジナなのです。問題の真相を明らかにしたいなど決して思ってはいないことが分かります。説明責任とは、リーダーが追求を逃れる為に使うただの時間稼ぎに利用される言葉でしかないのです。
政治倫理審査会を開催すると言っても、追求されたら困る二階元幹事長を外すなど、核心的なことを知っていそうな議員の出席も期待出来ないですし、さらに非公開にしたいなどと、どれだけ国民を愚弄しているのでしょうか。これも開催したと言う事実だけを作ってお茶を濁すだけでしょう。
国会の答弁を聞いていると、そのような空しい発言、活動が繰り返されるばかりで、時給が相当高い議員、官僚達が無駄に時間を過しているのになんてもったいないのだと溜息ばかり出てしまいます。本来、国会という場は、国民の生活を少しでも良くするように、高度な議論のやりとりを交わす所ではないのでしょうか。都合の悪い話にならないように策を弄することにどれだけ時間をかけたらいいと思っているのでしょうか。そのようなことしか出来ない議員達は全く必要ありません。