昨日の政治倫理審査会をテレビで視聴しました。岸田総理が完全公開で出席するとなって、後の出席者も右にならえとなって決まった会です。

 岸田総理の質疑時間は、ニュース番組などでも報じていましたように、国会で答弁された内容がほとんどでありました。唯一の成果は、自身の政治資金パーティーを総理任期中は開催しないと言わされたことぐらいでした。二階派の事務総長武田議員の質疑時間も、自身も二階会長も、お金にまつわる会計のことは一切タッチしていない、知らない、すべては会計責任者しか知らなかったと、抗弁するばかりでした。今朝に実施された安倍派の事務総長経験者である西村議員、松野議員への質疑でも、同様のことが語られたそうです。松野議員は道義的責任はあるが、事務総長の役務として監督責任は無いと、はっきり答えていたそうです。

 ようするに、知らないから自分は悪くない、道義的責任しかない、と言うのが彼らの答えだったのです。中には質問者が具体的な状況をあげて答えが矛盾しているのではと、質問していました(例えば二階派ではこのような不記載があったのは、幹部ばかりなのは偶然と片付けられない、何か意図的なものを感じると言うような)が、どう見ても状況に合理性が無くとも知らないを押し通すことを繰り返すばかりでした。証人喚問や裁判であれば、こんな答え方が通用しない、もっと深く追求されると思うのですが、この政治倫理審査会と言う形式だけの会では、到底、真実は出て来ないと思います。

 私自身、このやりとりを見ていて、二階派、安倍派の会長や事務総長は、全く知らないと言う事はなさそうだと感じました。しかし、百歩譲って、本当に知らなかったのだとしても、監督責任も無いと開き直る態度には相当な怒りを感じました。会計責任者自身がお金を使うのではないのです。使う立場にいる政治家がお金の出所も全く知らないとして許されるようなルールそのものがおかしいのです。一般の企業や組織であれば、会計担当者が単独で起こした問題であろうと、上位者は必ず監督責任が問われます。それくらい、上位で権利を持つものの責任は重たいものだと思います。会計をすべて会計担当者に任せていたとしても、問題を起こすような人間に丸投げして任せたと言う行為に責任を問われるからです。

 今回の裏金問題の追及過程で、私が最も訴えたいことは、「下位者に責任を押し付けて追及をかわそうとし、下位者を守ろうとすら出来ないような人間が、何の力や富も無い多くの弱い国民を守ろうとする訳はない」と言うことです。

 このような自分を守ることを最優先にする人間達を人の上に立たせてはいけません。このような人間が日本の政治の中枢にいる内は、国民は益々不幸になって行くのです。