前回のブログで、受験は人生を決めるようなものでは決してないことをお話しました。実は私自身、高校も大学も第一志望は不合格でした。その時は、悔しくて人生が終わるのではないかと言うくらい落ち込みましたが、前回述べましたように、今では、悲劇的なその出来事は長い人生において、それほどのことではなかったと思っています。否、失敗をしたことで、いろいろ大切な事を学ぶことが出来たのではないかと思っています。悔しさをバネに出来たことも大きかったと思います。

 受験は青春時代の大きなイベントであるとは思いますが、長い人生全体から見ますと、学校に入る為の単なるひとつの道具に過ぎないのです。こんなことを言いますと、今現在、受験に全精力を傾けておられる受験生やその家族の方達から非難されるかもしれませんが、本当に真実をお伝えしているだけなのです。受験に合格し、志望校に入学して、その後も自分の思い描いた進路を進むことが出来たと言われる人もおられると思いますが、志望校に入学出来ても、在学中に落胆し、中退した方もいるでしょうし、卒業して、有名企業に就職出来ても、その企業で落ちこぼれてしまった人も沢山おられると思います。逆に、志望校に不合格で、違う道を歩むことを強いられた人でも、成功した人も多数存在しています。

 だから、受験の合否は人生の多くの岐路の中のたったひとつの選択に関わっているだけなのです。受験以外の多くの岐路をどう進むかで、人生のシナリオは無数に存在しますし、どのシナリオが正しいと言うような明確な答えは存在しないのです。自分が選択した、もしくは選択しなければならなかった道を、どれだけ前向きに進むことが出来るかが、成功や幸福につなげられるかを決めると思うのです。どんな道でも、腐らず、一生懸命歩を進めて行くことに注力していれば、必ず幸せをつかむことが出来ると信じてください。自分の立っている道で、どうすれば充実感を得られるのか、そのことを深く考え、決して諦めずに努力を続けてください。受験のような短期決戦では無く、長い期間、いろいろな道の上で、腐らずにコツコツと努力していくことこそが、自分の目標に到達出来る唯一の方法なのです。

 今、受験シーズン真っ只中です。合格発表に歓喜する人達をニュースで伝えていますが、合格した人もしばらくはその喜びに浸っていいと思いますが、合格でつかんだ物はあくまでその学校で勉学出来る権利だけだと謙虚に思ってください。入学したら、また一から努力することを忘れないでください。そして、不合格であった人は、今感じているその悔しさをバネにして、与えられた境遇の中で精一杯努力してください。どちらの人にも、大きな可能性と輝かしい未来が待ち受けていることを信じて。