前回のブログで、新入社員で一度会社に入ったら、短期的な感触や印象で簡単に退職するのは長い社会人生活を考えても、あまり得策ではなく、それよりはせっかく入った機会を活かして、実務や人間関係などの会社生活をある程度経験した上で、自分自身の今後を考えた方が良いのではと述べました。
会社というものは、個人の能力だけで仕事が出来る芸術家などと違い、人間が多数協力して仕事をするものです。いくら自分自身の能力が高くとも、協力して働いてくれる人達がいなければ、必要な成果を産み出すことは出来ないと思います。その為には、関係する人達とのコミュニケーションや連携を上手くとることも重要な因子です。いくら有名大学を卒業したと言っても、学歴をひけらかして同僚などを見下したりしていると誰も協力してくれなくなり、その結果、仕事で成果を上げることは難しくなるものです。そのような人間関係も、実際に実務を遂行する中で、いろいろと経験し、どのようにすれば上手くいくかを会得しなくてはなりません。その為に、多ければ多いほど経験がものを言うのです。
そのようなコミュニケーション能力やマネージメント能力も絶対必要なのですが、大学で4年間学んだだけでは不充分なのです。自分は部活やアルバイトでいろいろ経験したので、そのような能力も備わっていると考えている人もいるかと思いますが、大学生として得られたものでは限界があります。そもそも、有名大学を出たくらいで人を見下すような人間にそれらの能力が高い筈はありません。
人間はどんなときでも謙虚であることが大切で、そうだから、いくらでも多くのことを吸収出来るのです。そう考えると、具体的な仕事を実際に経験することの中で、多くのことを学び、自分の血と肉にすることが出来るのです。対人関係を多く経験することも前述したように非常に重要なのです。そのような機会を簡単に捨てて、転職するなどと言うのは、最近の流行の言葉で言いますと、入社までに費やした時間、労力を無駄にすると言う事で、タイパ(タイムパフォーマンス)が悪いと言えるのではないでしょうか。
仕事はある程度の期間、実際に経験してみないとその本質は分かりません。一番重要なのは、それが自分に向いているのか、その中で遣り甲斐を感じられるかと言う点を明らかにしなくてはならないことです。それが判明して始めて転職することも考えないといけないのでしょう。
世の中は、自分の考えていた通りでは決してありません。仕事というものも辛く苦しいことが多くあるのが普通です。しかし、それだけでは長い年月、仕事を続けていくことは難しいか、ずっと耐えて、憂鬱な時間を過さなければならなくなってしまいます。
少しでも、幸せな人生をおくる為には、辛く苦しい仕事の中にも喜びを感じる必要があると思います。それが見い出せれば、きっと充実感が増えて、苦しいことでも耐えて、前に進むことが出来るのです。
入社してしばらくは、誰にとっても耐える時間なのです。その時間の中で、頑張って経験していくことの先に喜びがあると常に考えて前に進んでください。そして、それまでにいろいろと経験した中から、自分の求めているものを形付けられたら、その方向に進んでください。もし、今の会社、今の仕事にはその道が無いと判断出来れば、転職をするのもいいと思います。
だから、それまで、必死に今の仕事で頑張ってみてください。