日銀がゼロ金利政策を放棄しましたが、円安には歯止めはかかっていません。むしろ円安へ動いているようです。この結果、輸入品が主体の商品の価格は高止まって、市民生活での値上げ傾向はそのままの状態です。一方、輸出産業は高収益が続くことになりそうです。
日銀の利上げの背景に、大企業の春闘の回答が軒並み高水準であったことも関係あるようですが、残念ながら、大多数の中小企業での賃上げがどれだけ進むかは不透明の状況です。
このような状況下ですので、一部の富裕層や大企業の社員を除いて、生活の好転を感じられる人はまだまだ少ないように思います。
政府は日本をどのような国にしようと考えているのか、なかなか見えては来ません。自民党、公明党の選挙向けの方針では、賃金アップ、福祉アップで国民生活の向上を謳ってはいますが、やっていることは多岐に渡ってバラバラで、どこを向いているのかが分かりません。それは、政権がきちんとしたコントロール機能を持たずに、各省庁の官僚が縦割り政策を続けているから、歳出は多大であっても、まとまった成果につながっていかないのでしょう。
政権を担う首相、閣僚などが、体裁だけ整えた美辞麗句のビジョンしか持たなくて、言い換えれば国をどのような姿にしたいのかと言う実現可能で明確なビジョンを持っていないから、各省庁の言う事を寄せ集めることしか出来ないのです。あらゆる面で良くしようなんてことは土台現実的ではありません。日本の特徴を見極め、何を海外との差別化要素として磨いていくのかを明確にしないといけないと思います。それで得られる富をどのように使って、国民にどのような暮らしをさせるのか、どのような転換をさせるのかを示さなければなりません。それがあって始めて、若い人達が、どのような人生を目指したいか設計出来ると思いますし、それを助けるためにどんな教育、支援をするかが決まっていくのです。
今の政治家は選挙に勝つことを優先しているので、出来るだけ多くの国民にいい顔をしなければならないのです。多くの日本国民の生活を真に良くしていきたいのであれば、選挙より優先すべき事はいっぱいあります。その方向性を示すのが、どんな国にするかと言う実現可能なビジョンなのです(夢物語を語るのではなく)。
このブログはもうすぐ500回の投稿を迎えます。その節目として次回から私なりに日本はどのようなビジョンを構築していくべきか、しばらく考えてみたいと思います。