今回から、日本がどのような方向に向かったら良いかというビジョンを私なりに考えて行こうと思っていましたが、その前に、今日のニュースを見て、新たな悲しみと怒りが浮かんで来ましたので、そちらを先に述べたいと思います。
群馬県高崎市で九才の子供が警報機も遮断機も無い踏切で、飼い犬を追って侵入し、電車に轢かれて死亡すると言う大変悲惨な事故がありました。
未だに、全国で数千箇所、警報機も遮断機も無い踏切が存在しているそうです。少し前にも、91歳の老人がそのような踏切線路上で倒れて、列車に轢かれて死亡した事故があったそうです。利益重視の鉄道会社は往来の少ない踏切に、一ヶ所何百万円もかかる警報機を設置することを実行出来ずにいますし、自治体も利用者の少ない案件に税金を投入出来ないと判断しているようです。
何度も話題に取り上げました、高齢者の運転ミスによる事故の対策についても、金の問題で進んでいません。このような話を聞きましたら、すぐに思い出しますのは、自民党の裏金作りの問題で浮上しました政策活動費のことです。自民党など政党には、税金から多額の使途不明の政策活動費が支出されています。自民党の幹事長が長かった二階議員は、五年間で約48億円弱の政策活動費を受け取っています。彼は今回問題になったパーティ券収入から多額のキックバッグも受けていまして、その使い道を追求されて、図書購入費で三千万円以上だと報告したそうです。その内容も、自身や知り合いが出版した本を多数購入し、配ったとのことでした。この例を見ればお判りいただけると思いますが、使途不明の政策活動費も多分国民の為になることではなく、自分の選挙や政党や派閥の為に、もしかしたら個人的な目的で使っていると考えて間違いありません。
こんなことに多額の税金をつぎ込んでいながら、弱い市民の命を守る為の支出を許さないとはどういうことでしょうか。彼らの感覚は、平安時代頃から昭和初期まで続く階級社会で、上級貴族や士族、役人が、庶民の命を軽視したことと何ら変わりないのではと思います。
戦後、身分制度を解体し民主主義となった日本の政治家は本当は国民ファーストの立場でなければいけない筈なのですが、未だに国民、市民より自分の思惑や欲望の為に税金を使っているのです。まるで自分達はかつての貴族のような特権階級だと思っているのでしょう。
このような政治家達が日本を牛耳っている限り、多くの庶民、特に弱者は虐げられ続けるのは間違いないのです。
期待薄かもしれませんが、ほんの一握りの政治家でもいいのです、自分達で使っている税金を減らしてでも、今回のような人の命を守る踏切の安全対策や、高齢者の自動車事故への安全対策に税金を使おうと声を上げるものが出ないものでしょうか。そのような政治家になら、是非投票したいと思います。
いずれにせよ、税金を何に使うかという優先順位を見れば、政治家達の本音が分かると言うものです。つまり、国民の命より自分達の地位を守ることを優先しているのです。