前回のブログでアンガーマネージメントについて私見を述べました。人に期待し過ぎるのは止めようと、期待が外れるから、自分の思い通りにならないから怒りが生まれるのだと。人間同士の諍い(いさかい)を減らすには、この点が非常に重要なのです。人に期待するより、自分がどうするのかを中心に考えて行くのがいいと思います。そうすれば、結果への自分の責任がはっきりとし、人に怒るより、自分に何が足りないか、どのようにしたら良かったかという前向きな反省が出来るからです。
個人的には、そのようなスタンスであれば、怒りより反省の感情が生まれるので、単なる感情のほとばしりではなく、生産的な活動につながると思います。
しかし政治に対しては違います。我々国民は、大っぴらに怒りを発信しないといけません。今、国会で、自民党の裏金問題に端を発した政治とカネの問題に対して、自民党の党則の改訂案、政治資金規正法の改訂案について、与野党で紛糾しています。岸田首相以下自民党の案を聞いていますと、今よりは厳しいものにするしかないが、出来ればこれまでのように抜け穴を設けておきたいと考えているのが丸判りで、いらいらします。この問題で国会が停滞している間に本来審議、決議すべき重要法案が止まっています。そのことをちゃんと理解出来ているのであれば、自民党、いや岸田総理がリーダーシップを発揮しないといけません。この問題で断固たる処置を行えば国民の支持率も上がったと思いますが、次期総裁選のことを考えて、森元総理、二階元幹事長らに譲歩する弱気、安倍派幹部への偏った処分、そして抜け穴だらけの政治とカネの問題への対応など、残念ながら、国民より身内の票集めを優先する行動に、あきれるばかりです(このような行動をとっていても、岸田総理の本心が国民にはばれていないとでも思っているのでしょうか)。
本当にすべて国民の為に仕事をしているという信念があるのであれば、政治資金を完全に透明化しても大丈夫でしょうし、そうなれば、怪しい金の使い方は出来なくなります。それでも、秘書や会計担当がどんな悪いことをするかもしれないと、連座制を拒否することに関しても、自分の部下は自分で判断して雇っているのですから、当然その政治家の責任であるべきです。自分の部下も監督出来ないような人間が、多くの国民のことを理解出来る訳もないでしょうし、そのような能力の人間が、国民の代表を務めてはいけないのです。
野党もそれくらいの強い姿勢で、自民党に対してもらいたいのですが、自分達にも火の粉がかかるかもしれないと思っているのか、思い切った姿勢を示せないと感じています。
政治資金を完全に透明化し、秘書らの不正にも連座制を適用させるのも、それくらいのことを飲めない政治家であれば、きっとやましいことがあるのでしょう。そういう風に見ている国民がいることを知って欲しいですし、国民の多くが、それくらいの怒りを発して欲しいと思います。もう政治家自らの自浄作用を期待してはいけません。日本の政治を変えるには、もう国民の声しか残っていないと思います。それを一番強く示せるのが、選挙への投票です。
しかし、野党も頼りないしと言われるかもしれませんが、官僚がいる限り、現在の最低の政治くらいは出来るでしょう。国民の意志で政権交代があり得るという緊張感を無くしているから、このような自民党政治の腐敗が生まれたのです。その点を覆せるだけでも、一度、野党に政権をとらせる意味は大きいと思います。