北京冬季オリンピックの競技が進んで来ました。トップアスリートの素晴らしいパフォーマンスに感動することも多いのですが、ジャンプでのスーツの規格違反、ショートトラックでの失格判定など、後味悪い問題が続いています。スポーツは決められたルールの中で結果を争うものなので、公平性を保つ為には細かいルールが必要なのは理解できますが、そのルールを運用するのは人間だということで、数々の問題を生み出していると思います。例えば、ジャンプスーツの規定にしても、「女子の場合、身体より2~4cmの余裕内で収める」と書けば、非常にクリアーな規定だと錯覚しますが、これを実際に検証しようとすると非常に難しいと思います。「今回のチェックのやり方はいつもと異なっていた」というような選手の談話を聞いたりしますと、日々変化する身体とある程度伸縮性のあるスーツを再現性良く測定できるようなプロトコール(手順)が確立されていないのではないかと疑念が生じます。ショートトラックの場合も、接触したり、進路妨害と言われる行為は、どちらか一方にだけ起因すると断定できるケースは少なく、見る人の視点で、どちらが悪いとも言えるように思います。このような曖昧さを含む人間の判断が入るルールの運用を変えないと、これからも悲劇のアスリートを多数生むことになると思います。ルールを決めたり、その運用を定めたりするのは、各スポーツ国際協会の委員かと思います。そこで、当該スポーツの門外漢であっても、どうすれば恣意的な判断を排除できるのかと言うノウハウを持つ工学系の学者や技術者(工業製品の規格は、人間の判断を出来るだけ排除するように設定、運用されるようになっています。もちろん、そのような検査においても、故意に偽証したりすることを排除できませんので、偽装検査などの問題は未だ時々ニュースになっていますが、偽証ではなく、人間の判断で勝手に結果を左右することは避けられています)を委員に加えて、ルール、運用の制定に加えることがいいと思います。