最近の中国の流行語で、啃老族(ケンラオズー)と言うものがあります。意味は「親のすねかじり族」を表し、いつまでも親のすねばかりかじっている若者のことを指すのだそうです。
中国の都市部に住んでいる富裕層は一人っ子政策などで貴重な子供を大事にし過ぎたことや、若者の失業率が高いなど、いろいろな事情が重なり、啃老族が増えたそうです。中国では相続税も無いので、親が富裕層の場合、その資産に頼って生きていくことは難しくありません。
しかし、問題は啃老族の親世代が死んで行って、啃老族の年代が社会の中心となって行ったときに、中国の生産活動が滞り、マイナス経済成長が進んでしまうことです。今でさえ、経済成長率が低くなって来ている中国ですので、それに拍車がかかることが予想されるのです。そうなれば、親の資産を食い潰していく非生産的な啃老族が溢れ、社会問題化するのは必至です。
以前のブログで、社会を健全に保つ為には、ひとりひとりが自分の食い扶持は自分が働いて稼ぐことが一番の基本であると述べましたが、その基本を疎かにしているとこのような状態になってしまうのです。そのような状況になりますと、社会には貧困が蔓延し、富を奪い合うような犯罪が増え、治安も悪くなり、安心して生活出来るような環境が無くなり、ほとんどの人が幸せをつかみにくい世の中になってしまうのです。
人間は楽な方に流される生物です。生まれついてから、働かなくとも好きなように暮らしていけるとしたら、啃老族のような人達が増えてしまうものなのです。だからこそ親と社会が協力して、自立出来るような子供を育てていかなければならないのです。その為の躾であり教育が大事なのです。いくら受験勉強をさせて大学に入れても、生活力の無い頭でっかちばかり作っていては、本当に住み難い社会となってしまうのです。そういう風に育てられた人は、プライドは高いが、忍耐力も無く、上辺のカッコ良さで物事を評価し、仕事を選ぶ傾向があり、なかなか一生続けられる仕事を見つけられないのです。
幸せな人生をおくる為の大事な要素として、自分が充実した時間を過ごせるような仕事と出会えることも大切です。周りの人の意見やネットの情報を参考にするのはいいのですが、主体性無く人の意見に踊らされてはいけません。自分自身が何かを達成したときに心の底から遣り甲斐を感じられるかが選択の重要なポイントです。そのような仕事に就き、忍耐強く頑張っていけば、いつか充実した毎日を過ごすことが出来、身近に幸せを感じられるようになるでしょう。