毎年、世界の国の幸福度ランキングが発表されます。これは各国約1000名の生活評価と感情に基づいているものです。いつも上位にランクされるのは、フィンランド、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーなどの北欧諸国です。税金は高いのですが、その分社会保障が充実していて、誰もが、病気や老後の心配もせずに暮らしていけると言われています。その他、先進国であるG7の各国も日本以外は上位に位置していまして、経済的な豊かさや自由度の高さが評価されているそうです。そういう意味で、日本が先進国の中で下位に位置するのが不思議ですが、庶民感覚として見ますと、衣食住など豊かな生活を享受しているとは言い難く、年金問題など将来への不安感が多いことも一因であると思われます。
幸福度と言いましても、それぞれの国民が何を基準に判断するかで順位は変わって来ると思います。以前、ブータンが幸福度の上位にあったことが話題になっていましたが、近年は幸福度が下落しています。その理由として、近年は情報社会で他国の状況を知り得るようになって、かつてのように貧しくとも精神的に安定していたことではなく、もっと豊かな生活を望むようになって来たことがあるそうです。このような例を見ますと、本当に幸福とは個人の考え方に依存するものだと言うことだと思います。しかし、豊かさの程度より、将来に渡り平穏な生活を送れることが幸福の基礎だと言うことは間違っていないようです。
日本の幸福度を上げる為には、広く庶民に行き渡るほど多くの人達がもう少し豊かな生活を送れるようになることと、将来への不安を払拭することだと思います。そのような基本的な状況を作れれば、後は、生まれやジェンダーに関わり無く、誰もが頑張れば目標を叶えられると言うような公平な社会作りが重要だと思います。
そういう意味で、政治と言う役割が非常に重要な鍵を握っているのです。しかし、今の政治は経済問題や少子化問題、環境問題、外交問題などと言った非常に多くの課題に場当たり的に対応しようとしか手を打てていないと思います。先のブログで私が考えるどのような国にしたいのかと言うビジョンを示しましたが、今の日本のリーダー達はどう考えているのか大変不明瞭です。もしかしたら、自分達だけがいい目に遇えばいいと真面目に国を改革しようとしている訳ではないとも勘繰りたくなってしまいます。
日本の幸福度を考察するだけでも、どのような国を目指すのがいいのかと言うヒントが詰まっていると思いますし、そこから将来ビジョンを形作ることが出来ると思います。私が示して来ましたものもそのような発想から作ったものです(494.~500.を参照ください)。