自民党の裏金作りが発覚したことに端を発する党内ルールや政治資金規正法の改訂についての自民党の惨めなあがきやそこに付け込もうとする公明党や日本維新の会の歩み寄りを見ていますと、コメントするのも馬鹿らしくなって来ます。彼らはこんな姿を国民に見せても平気であるとは、どれだけ国民を馬鹿にしているのでしょうか。

 彼らが政治資金の使用明細を明らかにしたくないという理屈は、唯一、政治活動の自由が無くなるからだとは呆れてしまいます。すべての活動に対する明細を要求される国民には活動の自由は無いのでしょうか。また、野党の側も、このような詭弁を論破して自民党案を覆すことが出来ないとはどれだけ無能なのか、それとも自分達も本音レベルでは自民党案に賛同しているのではないでしょうか。つまり、本当は自由に使えるお金は残したいと思っているのではないでしょうか。そのように勘繰るのは、一昨年、文通費の使途を明らかにするように法を改訂すべきだと一時期野党は声高に叫んでいましたが、時が経つにつれ、その声はどこに言ったか分からなくなりました。結局は何にでも使える月百万円の文通費は今も議員に支給され続けています。今回の騒動も、結局、野党という立場上、厳しく自民党案に反対していますが、自民党をぐうも出ないように論破して、ぶっ潰すような具体的な動きは見られません。結局、反対はしたが、押し切られてしまったと言うような文通費と同じ道を歩みそうです。そうなると、与党も野党も議員全ては、使途不明でも構わないお金を依然として持つことが出来るという結果となってしまうのです。

 もしも本当に一般に公開出来ない国の為の機密上の使途があることが、百歩譲ってあるとしても、例えば、裁判所、検察などと言った第三者機関(政権が主導して選ぶ御用学者や専門家で構成されたような傀儡第三者機関では意味ないです)への一般への非公開レベルの報告義務を課せることは出来ると思います。後は他党への戦略上の機密がバレることへの懸念も、この案で好き勝手に出来ないように歯止めをかけることは出来ると思います。このような話の展開を生み出すことは真面目にこの問題に取り組んでいればそれほど難しいことではありません。要するに、議員の重要な能力のひとつは、論理的な交渉力、最近よく使われる外来語でネゴシエーション能力だと思います。これをまともに発揮すれば、自民党の案など砂上の楼閣だと思うのですが、これを崩せないのは、議員の能力不足であるか、それとも本当は自民党案を残したいという議員全体の暗黙のコンセンサスでもあるのではないでしょうか。そうだとしたら、今の国会議員の質が分かると言うものです。

 多額の費用(税金)がかかる国会運営がこのような茶番劇で占められるとしたら、どれだけ税金の無駄遣いとなるのでしょうか。税金を国民から少しでも多く徴取することには熱心なのに、その使い方がザルでは、国民の生活苦が解消される訳はありません。