他人の言動に踊らされない自分特有の幸せの物差しとはどのようにして作ればいいのでしょうか。
その為には、これまでの人類の歩みに少しでも多く触れなければなりません。学校で習う歴史も全体論を知る為にはいいのですが、奥深く知るには、いろいろな歴史書や歴史小説などを読み漁ることが必要だと思います。それによって、人類とはどのような問題を抱え、それに対してどのように取り組んで来たか、その中で大きな影響を与えた人間はどんな人であったのか知ることが出来ます。またそのような人間の歩みの中で人間は何を考えて来たかを知るには、いろいろな思想に触れることも大事だと思います。
これらを簡単にまとめることは出来ませんが、かなり荒っぽく整理しますと、人類の歴史とは飢えと外敵との戦いであったと思います。そして、人と人の欲望のぶつかり合いでもあったと思います。そういう争いの繰り返しの中で、少しでも生き易い社会を目指して、いろいろな思想、考え方が作られて来ました。長い間人間を支配していたのは絶大な力(権威、軍事力、資金力、宗教など)でした。その傾向は未だ続いていますが、先進国と呼ばれるある程度成熟した国々では、政治的には民主主義が経済的には資本主義が主流になっています。しかしこれらも完全なものでは無く、真に公平な社会や貧困の無い社会を実現出来ていません。
このような人類の歩みをある程度知って行きますとその中で自分自身はどのように生きて行くことが幸せにつながるのかと言う考えが浮かんで来るように思います。私が幸せをどう探したら良いかを考える基盤はそのような知見や考察から導かれたのだと思います。
さらに生きて行く中で知り合った人間や本や様々な情報から得られた人間の姿を冷静に見て来ますと、人間への理解が深まって来ます。多くの異なる性格や考えを持った人達は確かに多種多彩ですが、共通する部分もあります。それらが私が使う人間のタイプの分類(AEタイプ、WEタイプ、DEタイプ)になりました。自己以外の人間とどう接するかは自身の生き方に大きな影響を与えているからです。社会の一員として生きていく上では、人間関係は避けては通れないので、非常に重要な要素となっています。
独自の幸福感、幸福の物差しを持ちながら、他人とどうつきあっていくかは、幸せな人生を歩む上での大きな課題なのです。つまり、幸せの物差しは自分独自のものだとは言っても、自分以外の人間との関わりを無視しては作ってはいけないのです。
ここになにか幸せの物差しを作るヒントがありそうです。幸せは自分の喜びや充実感から得られるものですが、それらはすべて物的なものを対象とするだけでは無く、人間との関わりの中にもあると言うことだと言えるのです。