街を散歩していますと、森が見えたので、近づいてみますと、立派な民家でした。東京ドームに匹敵するような敷地に、立派な門構え、奥には豪邸が数棟見えていました。表札の名前から、この地域を代表する元豪農の地主一族の家でした。散歩から帰り、ネットニュースをチェックしますと、トヨタ自動車の豊田会長の昨年度の年俸が16億数千万円であったとのことでした(裾野の非常に広い自動車産業は多くの下請け企業に支えられていますが、下請けを厳しく搾り上げて巨額の利益をあげていることも許せませんが、創業一族の会長が巨額の報酬を受けていても、自身も取り巻きも誰も当たり前としている組織も、日本を代表とする企業なんて言って欲しくありません)。

 いずれにせよ、庶民の家に生まれた人間には、考えられないような話です。私はこのブログの中で、度々、二世・三世の世襲議員のことにも触れていますが、21世紀になっても、未だに、どんな家に生まれたと言うことで、生まれた瞬間から格差のある社会が存在していることを残念に思っています。

 もちろん生物学的にも、自分の子供や子孫を繁栄させたいと考えるのは、DNAにインプットされているとは思いますので、ある程度の親からの相続は認めてもいいとは思いますが、そうだからと言って、今のような極端な格差を許容してはいけないと思っています。基本は、進んだ社会では全ての人間が公平に生きて行けるような仕組みを作るべきだと思います。

 具体的には、相続出来る資産や環境は制限をかけるべきだと思います。例えば、相続資産は価値一億円以上は、相続税として国庫に回収し、社会に還元させるようにすれば、前述したような生まれついてから極端に特別な待遇を受けることは出来なくなります。また、政治家としての能力ではなく地盤・看板・鞄で当選するような現在の選挙システムを大幅に変革することによって、政治家に適性の無いほとんどの世襲議員を当選出来ないようにすべきだと思います。

 一部の限られた人達で巨額の富を独占することが、この世界の貧困、飢饉を生んでいることをどうして理解しようとしないのでしょうか。一部の一族で、議席を占め続けることで、社会が疲弊していることをどうしてわからないのでしょうか。

 そのような本質的な理解が出来ない人達が、国のトップ、幹部、大企業のトップ、幹部の地位を占めていることが、今の日本の悲劇だと思います。