正月に起こった能登半島地震から半年が経ち、テレビで現況を放送していました。驚いたのは、まだ倒壊した家屋がかなりの割合で放置され、瓦礫の山が一面を覆っていたことでした。工事業者、機材の不足もありますが、所有者が不明で手がつけられない家も結構あるそうです。そのような事態なので、未だ避難所、仮設住宅に住んでいて、不自由な暮らしを強いられている人もまだ多数おられるようです。地震で直接死亡した229人に加えて、避難生活のストレスや疲労から亡くなった災害関連死も含め、これまでに299人の方達が亡くなっているのです。

 復旧作業に時間がかかっているのは、やはり政治の責任だと思います。例えば、倒壊家屋であろうと、所有者の許可が無いと何も出来ないのは、平時でのルールだと思うのですが、非常時である今回のケースでは、そのような悠長なことを言っていれば、何も進まないのではないでしょうか。災害のような非常時に対応する法律を整備する必要があるのですが、この半年、国会では、裏金問題での不毛なやりとりをして、時間を費やしてしまっていたのです。国民の命がかかった問題に対して、即座に法律的な対応に動かなかったのは、国会議員の怠慢でしかありません。一方、政治と金の問題に対しては、どのように法の抜け穴を残すのかに、多くの議員が時間と労力を費やしていた訳ですが、お金の動きをすべて透明化するという根本解決を選べば、簡単に終わる筈だったと思います。そのようなことで、今回のような緊急を有する問題を後回しにするという議員自身の為しか考えていない行動を見ていますと、彼らの本性がよくわかります。国民の命と生活を守ると、選挙ではさかんに訴えていた人達ですが、本当にその精神を示さなければならない肝心なときに何もしないのには大きな憤りを覚えます。

 今、東京都知事の選挙活動が行われています。小池知事ら多くの候補者が、災害に強い東京にするべきだと公約を示していますが、掛け声だけで終わらないことを祈るばかりです。能登半島地震の悲劇はまだ続いているという現実をよく見て、どのようなことをしたら良いか、また国にいかに働きかけるべきかを具体的に説明しているかを、有権者の皆さんはチェックされたらいいと思います。能登半島地震のことをよく検証し、具体的に方策を示しているかを見れば、どれだけ真剣に考えているかが分かると思います。

 先日のブログで、公僕に適した人は、己より国民、市民のことを優先する人だと述べたと思いますが、今の国会議員は全く正反対の人が多数を占めていることが、今回の地震復旧への対応を見ていてよく理解出来ました。非常に残念なことです。