「歯車にならないで」って言われても、自分は歯車にはなっていないのにと感じられているひとも多いと思います。この意図するところは、すべての事柄に対して、自分の頭で考えようと言いたいのです。上司、先生が言ったことを鵜呑みにしたことはありませんか。例えば、上司がこう指示したからそれに従った、何の為か良く考えずに、または、自分では違んじゃないかと思っても、言い返すと大変そうなので、そのまま従ったということはありませんか。先生が言うから、嫌々従ったということはありませんか。確かに、その場の状況によっては、なかなか指示を否定することが難しいこともあると思います。しかし、自身で考えるのが面倒だとか、上司の責任だからと、考えを停止してしまうケースは、自分の意識を変えるだけで、止められるのです。
「歯車にならない」とは、「何事も自分自身で考える」ということです。与えられた指示の狙いは、目的はということに常に意識を持って、わからないときは、上司、先生に問うことも大切です。何の為にやるのかもわからないで、指示されたまま実行することが「歯車になる」と言うことなのです。多くの人が歯車的な動きをしますと、本当は自分達の意図しない結果に終わるようなことを自分達で招いてしまうことが、人類の歴史の中で、度々あるのです。
我々ひとりひとりが、我々自身の最終目的(例えば平和や穏やかな暮らし)に対して、上が言っていることがどう影響するかを、きちんと考える習慣をつけたいものです。会社では、例えば最終目的が持続的な収益確保であるなら、自分の今やろうとしていることがその目的とどうつながるのかということを意識しましょう。そうすれば、上司の点数稼ぎの為の仕事、非効率的な仕事などが見えて来て、本当の会社の為の成果につながる仕事ができるようになり、それが仕事へのやりがいにもつながります。
また、個々人が考える習慣をつけると、自分の個性を発揮することも出来やすく、機械にはできないことが出来るようになります。そのことと合わせて、個々人の強みを活かしつつ、弱みをカバーするような人間関係を構築できれば、非常に強い集まり、組織が生まれるのです。
このように歯車にならない思考を続ければ、人類の平和にもつながり、仕事へのやりがいにもつながり、ひいては、個人の幸せにもつながるのです。