以前のブログで、三権分立を完全にすべきだとか、企業が自由に役員達の任免、報酬を決められないように法整備すべきだと主張しましたが、これに対し、三権分立を完全にすれば、海外に対して強いリーダーシップがとれないとか、後者では、自由主義に逆らうものだと言われる人もおられるとは思いますが、その理由を簡単に説明したいと思います。
このブログでも度々主張していますように、独裁者のように絶対的な権力を保有するものが、百パーセント国民の為の政治をするのであれば、強いリーダーシップと言う意味で、それが理想であると思いますが、現実は独裁者や権力者は権力を自分の思い通りにやりたいことに使ってしまうことになってしまう、つまり、国民より自分自身の野望を優先してしまうことにつながってしまうので、それは避けなければならないと述べて来ました。だからこそ、三権分立のように、権力を持つもの同士互いに牽制し合えるような関係が必要なのです。確かに、緊急事態が起こったときにタイムリーで適切な対応をすることに不安を感じる人もおられると思いますが、緊急事態のときだけは、行政の長にリーダーシップをとれるような仕組みだけは作っておかなければならないとは思います。
また、自由主義というものは、国民ひとりひとりが賢明であるのであれば、あまり制約を設けない方が本来の姿であると思います。しかし、実際、現実の人間はまだまだ愚かであり、自由をいいことに、己の欲望を達成する為に、他人に悪影響を与えるような人が多数存在していると思います。つまり、自由主義は理想ではありますが、それを完全に導入出来る程、人類は賢明ではないのです。つまり、どうしても厳しいルールや制約を設けておかないと、自由の履き違えが多数起こってしまい、多くの人間に害が及ぶことになってしまうのです。
皆が皆、他人を慮り(おもんばかり)、他人に迷惑をかけないように行動出来るのであれば、それほど厳しいルールは必要ないと思いますが、現実はその姿とはかなりかけ離れています。だからこそ、残念ながら、自由主義とは言っても、ある程度の制約を設けることが必要なのです。それでもって、自由主義を都合良く解釈して、悪いことを企む人間を法の力でコントロールすることが必要なのです。