宮崎県沖を震源としたマグニチュード7以上の地震が起こりました。その後、気象庁の専門委員会から、南海トラフ地震が起きる可能性が高まったこととして、注意を促す発表がありました。

 南海トラフで想定される大地震については、近年多くの注目を集めていますが、その想定地域が広範である上に、確実にいつ起こるかは未だ不明だと言う不確かさに、我々はどう対応したら良いか戸惑うしかありません。

 テレビに出演する専門家の個人的な意見もバラバラで、今回の地震は南海トラフ地震の範囲を外れているのではないかと言われる人もいます。残念ながら、地震の予測に対する科学技術はまだまだ実用的に人類に貢献出来るレベルではないとしか言えません。

 大気などの様々な動きをタイムリーに測定出来る技術とそれを解析し、シミュレーションするスーパーコンピューターの発達などにより地球表面上での気象予測はかなり精度が高くなって来て、狭い範囲での変化を捉えられるようになったお陰で、これまでは予測出来なかった線状降水帯などへも対応しつつあります。一方、地球内部の動きは観測する手段も限られ、目に見えるほどの進歩は示せないでいます。

 その中で、かなり精度の悪いレベルでプレート群の動きをシミュレーションするなど、地震の発生を予測する試みが進められてはいますが、結局、時間軸の幅も広く、想定場所も特定出来ない、随分大雑把な予測が出される訳です。

 今回の発表の中の具体的に何をすればいいのかという指針も、これまでとさほど変わらないもので、そんなこと国民は分かっていると嘆きたくなる有様でした。と言う事は、明日来るかもしれない、一週間後に来るかもしれない、一ヶ月に来るかもしれない、一年後に来るかもしれない、三年後に来るかもしれないと、つまりいつ来てもいいように心の準備をしてくださいと言っているのと同じなのです。まだ確実に来るとするならばいいのですが、場所によっては来ないかもしれない所もある訳ですし、こんなのが科学社会で言う予測ではありませんね。

 私はとりあえず、大地震が来たときどうなるのか、過去の大震災の被害を思い浮かべて、心構えだけはしておくことにしました。それこそ、ずっとシェルターのような場所に避難しておくことも出来ませんし、外出せずに過ごすことも出来ませんので、後は運頼みになって来ます。

 備えあれば憂いなしと言う諺がありますが、いくら備えようがちっぽけな人間なんか簡単に無力化するのが自然の力なのでしょう。人間いつ死ぬかは分かりませんが、必ず死はやって来ます。と言って、死ぬことばかり考えていては幸せに暮らせません。それと同じような状況が大地震が近づいている今の状態のような気がします。だからこそ、大地震のことばかり気にせず、一日一日をしっかり生きて行くことが幸せに生きる方法だと思います。

投稿者

弱虫語り部

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