日本のリーダーである内閣総理大臣(首相)が自民党という一つの政党の党首選挙で選ばれるのでいいのでしょうか。
現実問題として、与党第一党が首相を選ぶことが出来る今の制度であれば、国民が求めるような人物が選ばれる確率は小さいと思われます。どうしてかと言いますと、自民党議員達が自分に都合の良い人を選ぶからです。自民党員であれば選挙に参加出来るとは言っても、国会議員との一票の重みは全然違います。だから、党首選挙に参加したいのなら、党員になればいいと言うのもピント外れであると思います。今回のように、多分過半数を獲得する人が出ないとなると、議員での決戦投票で決まることが多いので、そうなれば党員の参加できる余地は全くありません。
実質的に議員達で決めるとなっても、これまではキングメーカーと呼ばれる有力な長老議員や派閥のリーダーの動向で決まっていました。裏金問題でほとんどの派閥は解散したことになっていますが、実質は勉強会などと体裁を整えて、つながりを堅持しているようだと思います。ですから、密室で次期総裁が決まるこれまでのやり方とあまり変わらないと見るべきだと思います。
日本のリーダーが数名の自民党議員の意向で決まるようなことでは決して国民ファーストの人物など選ばれる訳はないのです。彼らの言い分は、国民に任せてしまうと、表面的な人気で首相が決まってしまうリスクがあるので、政治の世界を知り抜いた自分達に任せておきなさいと言うことでしょうが、それが間違っているのです。今の議員達は本当にどこを向いて政治をしているのか危ういので、そんな人達に委ねることは非常に危険だと思います。
確かに、もし首相を国民投票による直接選挙にしても、今のような選挙のやり方では、人気だけが先行した人物が選ばれるリスクはあると思います。だからこそ選挙システムも変えないといけないと思います。今のように、候補者のことがほとんど理解出来ないような選挙戦であれば、国民に名の売れた人物が選ばれてしまうかもしれません。それを回避するには、候補者を丸裸にするように選挙運動期間中にいろいろなプロセスを課さないといけないと思います。最初に、具体的な公約とその実現可能性を説明させることから始めるべきで、それを何度も、公共放送やネットで配信します。そして、それが浸透した時点で、次のプロセスは、彼らの公約やそれを実現するための政策について国民からの質問とその回答に応える場を設けます。そして、その次のプロセスとしては、候補者同士の公開討論会を何度も開催するのです。この討論会は候補者の実力、本音を浮かび上がらせるように、時間をかけて行うのです。そして、この討論会を何度もやるのは、その司会進行を毎回変えることにより、偏った進行にならないようにすることも大切だからです。
今の議員達は自分達の実力や本音がバレないように、私の主張するようなやり方には大反対するでしょう。逆にそうであれば、この方法が真の日本のリーダーを決める為に効果的であることを示しているのだと思います。