先日、大手在京テレビ局の社長解任のニュースがありました。社内経費を私的な会食等に支出したというのが原因でした。驚くべきは、被害は60万円であったと言うことでした。彼の収入を考えれば、どうしてそんなケチなことと思われますが、この不可解な行動にリーダーの驕りが見えてくるのです。本人にとって、公私混同は社長の特権のひとつだったのでしょう。一般の企業でも、接待費の灰色な使用は頻繁に行われていると思います。まして社長であれば、怪しいことが発覚しても、うやむやになることがほとんどだと思います。それくらい、社長というトップの権限は強いもので、回りのものは、自身の保身のため、面と向かって非を唱えることがほとんど無いからだと思われます。今回のケースは、社長とスポーツ報道部隊との対立構造があって、そう言う状況なので、隠匿されずに表面化したレアなケースと言えるかもしれません。
権力というものは、非常に強大なものであり、権力者に対し、その部下達は物言わないことが多く、またそのような状態が蔓延化してくると、権力者は何をしてもいいと言うような幻覚をもたらしていきます。その裏に、権力者が、自分は人並み外れて優れている、その為に自分は特別であり、少々のことは許されると言う錯覚に見舞われることが多いのでしょう。そのような特別視が、社員には徹底的な経費節減を要求していても、自身は贅沢に会社のお金を使用しても良いとなるのです。日産元社長のゴーン氏など典型的な例ですね。先に問題視しました、IOCのバッハ会長などもその例に漏れない方だと思います。
そこで、権力を持つものは特別に自分自身に対して厳しく諫める必要があります。権力の座に就いていられるのは、多くの部下が支えているからだと言うことを忘れてはいけません。人間の優劣などは、ある部分的な面を評価しているだけで、ほとんどの場合、本人の功績だけでなく、運が味方した場合がほとんどです。そのような謙虚な視点に立てれば、例え、絶対的な権力を保有したとしても、やりたい放題できる訳はありません。
しかし、現実は、自分は人並み優れて偉いんだと錯覚しているリーダーは掃いて捨てるくらい存在しています。政治家、経営者、団体の理事長、会長などすぐに顔が浮かびますね。もちろん、皆さんの身近なところにもいっぱいいるのではないでしょうか。
私が力説していますように、リーダーを選ぶことが非常に重要なのですが、その組織や、組織に属する人々のことを一番に考えている真のリーダーを選ぶことは非常に難しいのです。
このブログの23.24.36.にリーダー論やどのようにしてリーダーを選ぶべきかを述べていますので、そちらもご覧ください。
AEタイプの人がリーダーとして最も適性があるのですが、リーダーになることによって得られる権力と富を獲得したくて、WEタイプ、DEタイプの人達もリーダーを目指すので、なかなか良いリーダーが選ばれ難くなっています。WEタイプの人でも、その使命に目覚め、自身を厳しく律していただければ、良いリーダーになれる可能性はあります。現在の大部分のWEタイプのリーダーの方達の覚醒を願うばかりです。