自民党の新総裁に、石破茂議員が選出されました。今回は、岸田首相が政治とお金の問題への責任をとる?為の辞任に伴う総裁選でして、本命無き選挙ということで、九人もの立候補があっての接戦の結果でした。
岸田首相が三年前の総裁選の公約で国民間の格差是正を上げていたのが、結局は首相になってトーンダウンしてしまい、失望したことを何度もブログに書きました。今回、石破新総裁も公約の中で、富裕層、大企業への課税強化を上げ、具体的には金融所得課税、法人税の引き上げを示していました。
岸田氏も石破氏も、庶民の暮らしを良くするには、金のある所から一般国民へ富を移転することが即効性のある効果的な手段だと認識していたのでしょう。しかし、大企業も富裕層も自民党の大スポンサーでありますので、彼らに酷な政策はなかなか打てないというのが、現実ではないでしょうか。結局、いろいろな圧力があったからかもしれませんが、岸田首相は富裕層から一般層への分配ではなく、経済成長で得られた税収から分配する(いつ実現するかは不確定ですが)として、腰砕けになってしまったのです。そのような状況を見て来ましたので、石破氏が公約を実現出来るのかは、まだ確信をもててはいません。
これまでの石破氏は論理的に正しいと思うことを歯に衣着せずに発言することが多く、自民党では変わった存在であったと思います。だから、同僚議員には嫌われていたのだと思います。しかし、今回の総裁選の決戦投票前の演説では、議員票を少しでも獲得したいとのことから、今までのやり方を反省し、議員達に詫びていました。言い方や場面をわきまえるというようなことであれば、それはそれで必要だと思いますが、肝心な自己の信念を曲げることになってしまうことを心配しています。本当に自民党を、日本の政治を変えたいと思っているのであれば、旧態依然とした体質の議員や大企業、富裕層に媚びへつらうことだけは止めて欲しいのです。一般の国民はそんな石破氏の変節を見たいとは思っていません。
一度、総理総裁の椅子を獲得出来たのですからもう怖いものは無いというくらい腹を括って、既得権益保有層など抵抗勢力のことなど気にしないで、国民を第一に考えて行動していただくことを強く期待したいと思います。