衆議院選挙が公示されました。各党の党首が各テレビ局のニュース番組に揃って出演し、意見を交わしていました。
物価高により、実質賃金はなかなか上昇出来ていませんが、各党とも公約の中で、実質賃金を上昇させることを示しています。与党以外の政党は、大企業の内部留保に税金をかけたり、法人税を増税することを原資に、消費税などの減税により、庶民の実質賃金を上げることを提案しています。自民党もそこまで具体的では無かったのですが、企業が賃上げし、設備投資、開発投資なども増やすことで、成長路線へ乗りたいと主張しています。
真面に見ますと、各党とも同じように我々庶民の所得を上げて、物価高に対抗するという方向はかなりベクトルが揃っていますので、選挙後の国会で、物価高以上の賃上げが出来る政策が為される筈だと期待できるように思えます。しかし、過去の国会を考えますと、与野党の具体的な政策は、細かい部分で合意出来ずに、結局国民の生活がちっとも良くならないことに終わってしまうことが常でした。各党は自分達の主張にこだわり、国民の生活を一刻も早く支援すると言う本分を忘れてしまうのです。あるニュースキャスターが政権をとった党は他党の主張ではあっても素晴らしい案は少しでも取り入れて、国民を救っていただきたいと、討論会を締めくくっていました。我々、一般の国民の願いは同じだと思います。
党首たちは庶民の賃金の低さについては、充分認識していますが、誰一人として、議員の報酬が国民の所得に比べ、大幅に高いことについて触れる人はいませんでした。また、政党助成金については廃止を唱える人が多かったのですが、年間1千2百万にも上る使途を問われない旧文通費について言及する人はいませんでした。国民の暮らしが大変だと仰る人達が、どうして自分達の収入が多いことに言及されないのか不思議です。これこそ、国会議員が簡単に決めることが出来る節税策であり、国民の生活に責任のある立場の議員が彼らの主張が本気であるとの心意気を見せることが出来る策だと思います。確かに、企業の内部留保の額に比べれば小さい額だと思いますが、まずは議員が率先して痛みを伴う改革をしてこそ、企業や国民に負担を強いる策をお願いすることが出来ると思いますし、そうであるからこそ、みんなが政権に協力するのだと思います。
自分達は豊かな生活を享受しつつ、他人事のように、国民が困っているからと、企業や富裕層の協力をお願いしても、誰も納得がいかないと思うのです。
国民の代表であるものは、真っ先に痛みを受けなければならないのです。それでこそ、国民は議員達を信頼するようになるのです。