関東では、強盗事件が連日続いています。被害に遇われた方達にはこんな不幸はありません。しかし、実行役の人間達も、自業自得ではありますが、あまりに軽率に人生を送ったということで、大きな下手を打っているのです。
実行犯は、闇バイトに応募した者が指示役の指示に従って実行する形で、ガラス窓や扉を工具で強引に破壊して侵入し、家人に暴行を加え、粘着テープなどで拘束して、金品を漁るのが共通しています。中には、被害者が死に至った事件や、連れ去られた事件がありました。
いずれも警察関係者によりますと、実行グループは素人の集団で、指示役に言われたとおりに実行しているだけのようです。指示役は、実行役を使い捨てと認識しているので、これまでの強盗の素人的な手口から見れば、実行役が逮捕されても構わないと考えているのです。だから、犯行の手口があまりにも杜撰でもいいのです。
一番、怖いのは、被害者が殺害に至るほどに暴行を受けたケースがあったことです。実行犯は殺害するつもりは無かったとの認識であろうと思いますが、指示役から暴行しろと指示されたら、忠実に暴行を加えていたのでしょう。やり過ぎると被害者が死に至るかもしれないなどと言うことも深く考えずに淡々と実行したのでしょう。
金品を強奪することが目的の侵入なのに、どうして殺してしまったのでしょうか。実行役は三人以上で構成されていて、お互いのことをほとんど知らない関係の中、指示役がやれと言えば、複数で暴行を加えたのでしょう。誰もが、決定的に死に至らしめるようなことになるなど分からずに、そして、周りの実行役がやったから、自分も同じように単に暴行を加えたのだと、殺意を否定するでしょう。もしどんな状況であっても殺人を犯してしまえば、強盗殺人罪となり、極刑もあり得る罪だとはちっとも考えていなかったのだと思われます。
犯人の供述から、ホワイトな仕事だと言うSNSのバイト募集に応募して、その過程で身分証明書を示さなくてはならなくなり、後で犯罪に関係するバイトだと分かった時点では、もしそこで止めれば、自分や家族に危害を加えられると脅されて強盗に加わったとのことでした。
彼の判断には大きなな過ちが複数あります。いくらホワイトをうたっていたとしても、もしホワイトならば、そんなに短期間で高報酬などあり得ないと考えるのが普通です。だから、ヤバい仕事はやりたくないと思っているのなら、鼻からこのような話に応募してはいけないのです。また、犯罪行為だとわかった時点では、身分証明書を知られていたから、止められないと考えるのは早計であり、そう気付けばその時点で警察に出頭すべきなのです。強盗ましてや、強盗殺人の犯人になるのと、警察に保護を求めるのとどちらがリスキィなのか判断すべきです。指示役は決して自分で犯行に加わらないと思います。そうであれば、実行役が途中で逃げ出したとして、その人間を探し出す為に足がつくかもしれない労力をかけるとは思えません(自分で手を下さないということは、その為に誰かに頼まないとならなくなります)。そんなことに実行役を使ったり、金で誰かに依頼するようなことは極力さけたいと考えると思います、そんなことより少しでも多く金になることをやりたいのです。さらに、犯行に及んだ時点でも、結果として殺人罪になるようなリスクを負うべきではありません。指示役の指示がどうあれ、目的は金を奪うことであり、殺人ではないと言うことを理解していれば、暴力は最低限にするのが自分の人生を守る為には必要だったのです。
残念ながら、これらの実行役はあまり真剣に物事を考えずに悪事に加担し、犯罪を実行したことが最も悔やまれることです。逮捕されてはじめて自分の犯したことがどれだけ重い罪か理解出来たのだと思いますが、その前に真面目に自分の人生を考えれば、このようなことにならなかったのだと思います。少し前にも書きましたが、指示役や、このような犯罪を企てる人間は、反社かそれに近い者達です。犯罪のプロです。彼らは実行役の人権など全く考えていなくて、実行役が警察に捕まれば、次を探すだけと、道具のように使い捨てにするだけなのです。犯罪に関しては、一枚も二枚も上手なのです。だからこそ、自分が大切であるのならば、そのような犯罪者達と関わることは絶対に避けなければなりません。犯罪のプロ達は自分は危険を犯さずに、金だけはタンマリ稼ぐのです。闇バイトとは、その逆で本当に割りの合わないものなのです。