昨日、衆議院選挙が行われ、結果が出ました。予想していた通り、自公与党が大幅に議席を減らすことになりました。この顛末を受けて、私の感じたことを述べたいと思います。
岸田首相が公式には裏金問題の責任をとり辞任した後、石破政権が発足しました。そういうタイミングだったので、衆議院の解散の大義は、裏金議員の処分や政治資金規正法の改正について進めて来た与党のやり方について、国民の信を問うと言うことでした。今回の選挙では、処分を受けて、党の公認を得られず無所属で出馬した裏金議員や、公認は受けたが、比例区への重複出馬が出来なかった議員達の結果が出ました。裏金議員の中のかなりの数の議員が落選したことに、国民の意志が表れたと思いますが、一部の裏金議員は小選挙区だけでも当選しています。彼らは強固な地盤、組織票を持っていたのかと思われます。そういう所を見ますと、まだまだ有権者個人の正当な意志だけで投票出来ていないのではと感じられます。つまり、組織の力により強制されたり、例え裏金を作るような議員であっても、自分個人には都合が良ければ、その候補に投票するという人がある程度多数存在していると言うことだと思います。
本来であれば、国民が物価高などで苦しんでいるのを尻目に、自分達は非課税で使途不明の金を少しでも作ろうとしている議員など、国民の代表とすべきではないと判断するのが真っ当な考えであるべきだと思うのですが、そのような考えより、組織や個人だけの利害で投票する人がいると言うことです。そのような一部の有権者の行動により、当選を果たした裏金議員は禊(みそぎ)は済ませたと堂々と議員活動を続けて行くのでしょう。それが何をもたらすかと言いますと、それで一時しのぎ出来たということで、いずれまた、さらに巧妙に政治の金を悪用しようとする議員か出て来るでしょう。
国民の安全と生活を守ることを第一に活動する議員を少しでも増やす為には、我々有権者である国民の行動も、近視眼的に個人の為というより、社会全体の為ということを、第一に優先するような振る舞いを心掛けないといけないと思います。
よく言われますように、政治のレベルを決めているのはやはり有権者である国民の意識レベルなのです。そう考えれば、投票という権利を有効に使わなければなりません。今回の選挙も半分近くの有権者が投票していなかったのですが、それこそ、悪徳議員達の思う壺なのです。つまり彼らは浮動票と言われる力ではコントロール出来ない票が少なくなれば、自分達の組織票で当落を決することが出来るからなのです。