米国大統領選挙の開票が進んでいます。日本と違い、国民が直接投票出来るのがいいと思いますが、実際は大統領を直接選出するのは選挙人であり、その選挙人は、州毎の今回の投票で勝った候補がその州のすべての選挙人を獲得出来るというものです。決して、今回の投票の割合で選挙人の数が決まる訳ではなく、勝利候補の丸取りとなるのです。という事は、国全体での獲得票数が多い候補が必ずしも選挙人を多く獲得出来るとは限らないのです。そういう意味では、厳密には国民が直接選べるとは言えないし、国民の投票が多い候補が選ばれる訳ではありません。
日本のような国会議員の投票により首相が選ばれるのよりは、国民が直接に選んだという感覚はあるかもしれませんが、なんともピンとこないですね。多分、大統領選挙の歴史の中で、今のような方式が決まったのだと思いますが、うがった見方をすれば、選出方法を複雑にするほど、何か国民には見えにくいことが隠されているような気がします。その見えざる部分に、米国を牛耳る裏の力が働けるようになっているとは、考え過ぎでしょうか。
国民の少しでも多くの人の支持を受けた候補を大統領とすると言うような単純な方法では何故いけないのでしょうか。単純にすればするほど、選挙の不正を防ぐことがやり易い筈です。今後のオンライン投票など、金がかからず、時間もかからない選挙方法に対応しやすいと思うのです。複雑なシステムほど、不正を働けるウィークポイントが多く、それに対策するのに、課題が多過ぎて、オンラインでの電子投票が実現しにくいのではと思います。
そういう意味でも、日本の選挙システムは更に複雑過ぎて、国民の民意がどれだけ公平に反映しているのか心配になります。国会議員の地域別の一票の格差は未だに解消されていません。シンプルに考えれば、答えは決まっていると思うのですが、国会ではグズグズ小さな変化を繰り返しているだけです。これも、現状の区分けで選ばれている議員の抵抗が大きいのでしょう。既得権益を手放したくない勢力が抵抗するのは、選挙の場合でも同じなのです。
国家予算の編成にしても、官僚制度にしても、何故こんなに複雑なのでしょうか。たがら、無駄が多く潜む可能性が高くなり、不正もやり易いし、改善しにくいとデメリットばかりです。逆に、現システムで甘い汁を吸っている既得権益の持つ者達にとっては、非常に好都合なのです。
この社会を一般国民にとって好ましい姿にするには、既得権益を持つ者達を排除し、複雑な構造、方法を一からシンプルに見直すことが必要なのです。
すべて、シンプル イズ ベストの精神で進めれば、社会が大きく変わると思います。