連日、ウクライナからの報道がテレビで繰り返されています。ロシア軍が市街地まで侵攻して来て、ウクライナ市民との接触も見られるようになりました。ロシア側は一般市民を攻撃することは無いと伝えていますが、ミサイルで攻撃されたアパートも映し出され、街のあちこちが瓦礫のようになっている場面もありました。また、ロシア兵に、あなた達は侵略者だと問い詰めている婦人の姿がありましたが、それに対し、ロシア兵がバツの悪そうな顔をして答えに窮しているようでした。多くのロシア兵も、好き好んでウクライナに戦争を仕掛けている訳ではないと思います。多くのロシア兵の若者が死亡していることも伝えられていますが、ロシア兵も内心は戦争などしたくないという気持ちが強いのではないでしょうか。ロシアの侵攻が遅れている原因のひとつは、国を守りたいと高い士気のウクライナ兵に比べ、本当は戦争などしたくないというロシア兵の士気の低さにもあると思います。戦争をやりたいと思っているのはプーチン大統領以下少数なのでしょう。なのに、血を流すのは、最前線の若き兵隊達なのです。権力者は、砲弾の飛んで来ない所で厳しく命令するだけで、死んだり、傷ついたりするのは、名も無き若者達なのです。
このような実態に、ロシアの国民はどう考えているのでしょうか。かつては、ソ連崩壊後の不況を脱するように指揮したプーチン大統領への支持も高かったようですが、その彼に長期間の独裁的権限を与え、その結果がこの戦争だとしたら、国民はまだ彼を支持するのでしょうか。若いロシア兵がさらに死んでいくのを冷静に国の為だからと見ていられるのでしょうか。武力に訴えることしか出来ないような指導者を本当に望んでいたのでしょうか。哀れなロシア兵の父母の気持ちになって、再度、ロシアの行く末を考え直すときなのではないでしょうか。