ウクライナへのロシア軍の侵攻はプーチン大統領の思惑通りには進まず、ウクライナ軍の予想以上の抵抗に、ロシア軍の被害も甚大になっているようです。中には徴兵された若いロシア兵が、ウクライナと戦闘するということも知らずに、戦場の真っ只中に放り出され、多くの命を落とすことになっています。このような状況でも、プーチン大統領は徹底的な交戦を支持しているようで、振り上げた拳の落し所が見い出せなくなり、狂気ともとれる行動へとつながるのではないかと非常に心配されます。ウクライナ市民の命、ましてや自国の若者の命よりも、自身の面子をとるという、明らかに国民の為ではなく、自分の野望の達成を重視する指導者ということが明らかです。彼の大義は、ウクライナが西側につけば、ロシアの安全保障が脅かされるということでしょうが、本当にそれで武力侵攻ということが必要であったのでしょうか。彼は誰も信用できない猜疑心の強い性格だと思います。権力を極めて、さらに孤独になり、いつ何時、寝首をかかれるのか、他国から攻撃されるのかと悩まされているのではないのでしょうか。独裁者に多く見られるこのようなタイプの人間は、自分に逆らうひとはすべて排除し、周りをイエスマンの側近で固め、側近の抵抗の無いことをいいことに、自分の護衛強化も含め軍事力を際限なく高めることに努めるのでしょう。彼のこの考え方がこれからもどれだけ多くの犠牲者を生み出すのかと考えると非常に恐ろしいのです。
このようなことを考慮すれば、部分的にでも、百パーセントの納得は出来なくとも、こじつけでもいいのですが、彼を渋々でも納得させることが出来るような、落し所を設定しなければ、停戦交渉はまとまらないでしょう。例えば、クリミア半島やロシアが独立を認めた二国の承認、そこは親ロシアのウクライナ人だけが居住するような場所にするような国を分かつようなことになるかもしれません。この案は、これまでのウクライナ内での親欧州と親ロシアの国民の対立、衝突を無くすことにもつながるとは思いますが、一部の人々が、慣れ親しんだ土地から移住しなければならなくなるなど、簡単ではないでしょう。しかし、戦争を停止する為には、妥協が必要とも思います。これはあくまで妥協が必要だと言いたいひとつの例で、私のような第三者が決められるものではありません、実際の妥協案はウクライナ人が決めなければならないと思います。私の言いたいことは、どちらも痛みはあっても、妥協に甘んじる方が、戦争を続けてさらに死者を増やし続けていくよりはいいと思うのです。