- 新ハルモニア主義の目標とする社会に変えるには何をすれば良いかということは明白ではありますが、これを実現するには非常に大きな壁があります。
- 現在の社会で、既得権益を持って裕福に生活している人達は、変革を好まないと思います。やっかいなことにこれらの人達が、現在、大部分の富と権限を保有しているのです。
- その厳しい現実を変革するには、大多数の民衆が結束して、既得権者からその権力を奪い取ることが必要ですが、このことは非常に難しいことと思われます。我々民衆が時間をかけてでも、このような考えが多くの人が幸せになるということを理解し、既存のシステムの中で、賛同者を増やし、その中から、この主義に賛同する政治家、官僚、経営者、法律家、マスコミ関係者などが生まれ、増えていかなければなりません。
- また、このような流れに対して、日本だけでも、このような新ハルモニア主義をベースにしたシステムを構築しようとする為に、富の偏在を改め、得られる収入に限りを持たせるとなったら、優秀な人材が日本を離れてしまう、その結果、日本の国力が弱体化すると言って反対する既得権者が現れるでしょう。
- 実は、ここに大きな落とし穴があります。数億の年収でも足りないと言って日本を見捨てる人が、そんなに多くいるでしょうか。AE、WEの人達は、新ハルモニア主義によってもたらされる多くのひとが豊かになる社会を理解できると考えられます。金の多寡にとらわれ、ひとを踏み台にしてでも自己の富を増やしたいと考えるのはDEなのです。DEが日本を捨てることは歓迎されることなのです。
- しかし、日本だけが新ハルモニア主義の目指す社会になっても、問題は残るのです。
- 次に問題となるのは、安全保障の問題です。全世界が戦争を放棄したときには問題無いのですが、一部の国だけで戦争放棄しても、軍事力を持つ国が戦争を引き起こし、戦争放棄した国を攻撃したときには、防衛が必要となります。全世界が戦争を放棄するまでは、意味のある規模の軍事力を確保しなければなりません。現実的には、軍事費も含めた税収を確保しなければならなくて、社会福祉の面だけではなく、この点でも、富裕層から厚く徴収する税制が必要となるのです。いずれにせよ、紛争を話し合いで解決するという考えに矛盾することが、非常に辛いのですが、現実はこうなのです。