最近、戸籍謄本が必要になりました。これまでは、本籍のある父の田舎の市役所に申込書、手数料分の郵便小為替、返送の為の切手付き封筒を郵送して、戸籍証明書を送付してもらっていまして、一週間弱の期間がかかっていました。今回はマイナンバーカードがあればコンビニで発行できると言うのを知り、トライしてみましたら、近所のコンビニで、登録に一日、発行に一日で取得することができました。もしかしたら、登録,発行ともで一日でやれるかもしれません。経費も今まで郵便小為替にしていた手数料をマルチコピー機に現金で投入するだけで済みました。初めて、マイナンバーカードを持っていてよかったと思いました。このような利点が、身近にあれば、マイナンバーカードはもっと普及して良い筈です。
現在でもマイナンバーカードを取得している人の割合は約40%とまだまだ低い状態が続いています。マイナポイントをプレゼントするとかで宣伝していますが、本質的には、カードがあれば便利だと認識すれば、自ずからカードを取得するはずです。いろいろと将来的にはこんなことが出来ますよと宣伝していますが、今、こんなことが出来るということでないと、なかなか、カード取得を躊躇っているひとが重い腰を上げることはないと思います。
仕事でいろいろとIT化を経験して来ましたが、その普及は簡単ではありません。ポイントはユーザーの心を動かす為に何が必要か、それをやる為の課題をどう解決するかを、筋道立てて組み立て、それをスケジュール化し、アクションプログラムを作成して、それに従い実践していけるように、コントロールするリーダーとその補佐役が機能することだと思います。国の場合はどうでしょうか。デジタル庁を作って本気でやろうとする姿勢は見せていますが、結局、これを動かすひとが重要なのです。デシタル庁のトップが当初の目的を達したとして半年で交代したのを見て、どうかと思いました。先程申しましたように、ポイントはきちんとした首尾一貫したアクションプログラムを設定して、それを実行していくことです、半年で交代などあり得ません。
デジタル庁トップが国民のニーズをしっかりつかみ、例えばマイナンバーカードであれば、国民目線でカードにどんな機能を盛り込んだら良いかをうまく捉えないといけないのに、政府、自治体サイドの目的を意識するあまり国民がそっぽを向いていくようなやり方をポイントという子供騙しで国民を釣ることしか考えていない今の根性では土台普及に時間がかかるのは必定です。もちろん、マイナンバーカードのことだけではありません。
せっかく多くの税金を使わなくてはならないのに、これでは非効率極まりないと言えます。ITと言うものは、人間の作業では効率が悪いこと、ミスをすることを大幅に改善してくれるものです。その単純なメリットを最大限活かし、政府、省庁、自治体の既得権益や役人の既存の仕事を守ろうとする圧力を断固として排除する強い意志と実行力が必要なのです。また、大きなお金が動く訳ですから、政治家や関係業者が甘い汁を吸おうと関わって来ることにも強く対処できることも重要です。結局、このような人材は、官の中にはいないのかもしれません。民間から三顧の礼をもって、相当な人物を迎えてでもやらないといけないことだと思います。そうすれば、国民が多くのメリットを受けられることに留まらず、役人が単純な作業から解放され、本当の意味で国民、市民へのひとの温もりのあるサービスに時間を割けることができるのではないのでしょうか。