渡辺裕之さんの訃報の後、ダチョウ俱楽部の上島竜兵さんの自殺の報に大きな衝撃を受けました。悩みはひとそれぞれ尽きぬものですし、ましてやコロナ禍、危険な世界情勢の中、いろいろと生きて行く上でのマイナス要素があるのは誰しものことなので、事情の知らない我々から見て、どうして死なないといけないのか非常に不可解なお二人の死でした。死の直前の行動から見ましても、発作的な行動のような気がします。用意周到に計画的であれば、責任感のある方達ですから、以後の仕事や予定も白紙にされ、出来るだけ周りに迷惑をかけないように準備されていたと思いますし、逆にちゃんとした遺書も見つかっていない様子がうかがわれ、発作的な行動であったと判断するのが妥当だと思います。計画的な覚悟の死であれば、人生の清算の過程で家族や親しい友人、仕事関係の人達に察しがつくこともありますが、発作的なものはなかなか事前に察知することが難しいものです。今になって、ご家族や友人の方達が、どうして察知してやれなかったのか、大きな悔いを感じて苦しまれていることと思います。多分、精神的に追い込まれて、うつ病などにかかっておられた可能性が高いのです。正常な精神状態であれば、いろいろな悩みに対しても、前向きに対処するような力が沸き上がって来るものですし、信頼する方に相談するということも出来ると思います。しかし、病気であればそのような行動がとれなくなる所が非常に怖いのです。ひとは非常に弱い生き物ですので、辛く悲しいことでどうしようもなくなることも誰しもあると思いますが、正常な精神状態であれば、信頼できるひとに相談すれば、その悲惨な淵から這い上がれることが出来る場合が多いと思います。しかし、病気であれば、まず自身が精神的な病気を病んでると認識できないのが普通なので、自分から病院に行ったりすることはありませんし、病気になると、ひとにも相談できなくなってしまい、ひとりで思い悩むことになってしまいます。今回のお二人の死のニュースに際して、いのちの電話や、相談SNSが紹介されていましたが、精神的な病気のひとには自らそのようなサイトにアクセスするのが大変難しいものです。だから、家族や友人はちよっとした兆候でも感じたら、積極的にこちらから声をかけたり、本人にかわって実績のある病院、専門家に相談することが必要だと思います。結果的に勘違いでも、早とちりであったとしても、もし家族や友人が自殺されて後悔するのであれば、出来るだけ早い段階で行動した方がいいと思います。かつて、私の父が仕事の問題などがきっかけで、なんでもかんでも悲観的なことむばかり言うようになったとき、無理して、病院に連れて行き、うつ病が判明し入院してもらったことがあります。後日、本人からなんであんな病院に連れていったのだとさんざん恨まれましたが、正常に戻った父を見て、これで良かったのだと胸を撫で下ろしたものでした。もし大事なひとが普段と少しでも違うことに気がつけば、すぐさま実績のある専門家に相談することをお勧めしたいと思います。